2017年2月22日水曜日

大和ネクスト銀行の預金を海外で使うには?

2000年前後から次々と登場した「新たな業態の銀行」。インターネット専業行や、コンビニなどの店舗外ATMを得意とする銀行などがありますが、証券会社が従来投資信託形式で受け入れてきた流動資産を運用するために銀行を作ったという例もあります。

大和証券(東京都千代田区、日本証券業協会加盟)は、2011年に開業した完全子会社「大和ネクスト銀行」(東京都千代田区、全国銀行協会加盟)を通じて、預金の受け入れを行っています。これは、同じ大和証券グループの大和証券投資信託委託(東京都千代田区、投資信託協会加盟)が大和証券を通じて販売していた『ダイワMMF(マネーマネジメントファンド)』『中期国債ファンド』や、総合取引口座(銀行の総合口座に相当)利用者向けの『ダイワMRF(マネーリザーブファンド)』の後継として、普通預金を提供しようという狙いでネクスト銀行が創設されたためです。実際、大和投信は中期国債ファンドを昨年6月30日、MMFは昨年10月限りで繰り上げ償還、ネクスト銀行の普通預金を事実上の代替商品としました。

このため大和証券に口座がなければネクスト銀行の口座を申し込むことができず(『ダイワのツインアカウント』)、国内向けのキャッシュカードも独自のものがなく、大和証券の『ダイワカード』を使って出入金します。

大和ネクスト銀行の円建て普通預金は、そのままでは海外で下ろすことができません。成田空港や関西空港のようにセブン銀行(東京都千代田区、東証1部上場)のATMが充実していれば出発直前まで下ろせるものの、制限エリア内のセブン銀行ATMは1回に3万円までしか下ろせないという欠点があります。一旦外貨普通預金に振り替え、さらにMasterCardプリペイドカード『DAIWA SMART DEPOSIT』(愛称スマデポ)にチャージをするという手間がかかるものの、スマデポを持っていれば海外で使うことができます。

スマデポは、FXブローカーのマネーパートナーズ(東京都港区)が開発した『マネパカード』を基に、チャージ(入金)と戻し入れ(清算)を大和ネクスト銀行の外貨預金のみに絞った商品です。米ドル、ユーロ、ポンド、オーストラリアドル、港幣(香港ドル)の5種類の通貨で出入金ができるので、例えばアメリカやカンボジアなどドル経済圏では米ドルを振り替えてそのまま下ろすことができます。

ただし、普段日本円でしか大和ネクスト銀行を利用していない方でも、スマデポを利用するには外貨普通預金口座を開設し、必要な金額を円から外貨に振り替えてこないといけません。新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)の『Powerflex』や住信SBIネット銀行(東京都港区、全銀協加盟)のように、海外で下ろす際に円建て普通預金からの出金が優先されるか自動的に外貨預金も開設される制度のほうが使いやすいという方には、あまり向きません。プレスティア(SMBC信託銀行)の前身、シティバンク銀行で米ドル建て決済クレカ『ドルカード』(前記事「シティバンク改め『PRESTIA』のクレジットカード保有者は要注意」参照)を使われていた方ならまだしも、そうでないと使い方に慣れるまで時間がかかりそうです。

2017年2月16日木曜日

キョーハンブックス自己破産!親会社・地図共販の破産に連鎖

出版取次中堅で地図、旅行書を専門に卸していた日本地図共販(東京都千代田区)が10日、東京地方裁判所民事部に自己破産を申し立てて完全倒産しました。この際、地図共販の子会社で旅行書などの出版を手掛けていたキョーハンブックス(東京都千代田区)も連鎖して自己破産を申し立てていたことがわかりました。設立40周年の節目だったにもかかわらずの倒産で、関係者は対応に追われています。

日本地図共販は、終戦直後の1946年(昭和21年)に設立された伝統ある地図の卸問屋でした。同業大手の武揚堂(東京都中央区)、内外地図(東京都千代田区)と共に国土地理院(茨城県つくば市)から「元売捌」と呼ばれる地形図などの卸売業者に指定され、全国の地形図取扱い書店へ卸すとともに、東京・神田神保町の本店では全国すべての地形図を取り揃えて店売りも行っていました。

一方、地図共販は中小零細の出版社や編集プロダクション(編プロ)が作った旅行ガイド本などの販売元になる機会も多く、自社で地図や旅行関連書などの版元活動を行うため、1977年(昭和52年)にキョーハンブックスを設立しました。最盛期の1990年代後半には両社合わせて100億円を超える売り上げを挙げていました。2000年代以降は、弊誌永遠名誉董事長・下川裕治が単行本や『歩くガイドシリーズ』などの版元として仕事をする機会が増え、蔵前仁一さん主宰の『旅行人』やバンコク編集で鳴らした『Gダイアリー』などから出た単行本もキョーハンブックスを版元に数多く出されました。

しかし、2006年に『ユニオンマップ』のブランドを持つ道路地図の版元、国際地学協会(東京都新宿区)が民事再生手続きをしたあたりから風向きが変わりだします。Google MapやMapionなど民間の地図サイトが充実したのに加え、国土地理院も電子国土Webを無料で公開するなど紙の地図の需要は激減。地図共販と取引をしていたのを他の会社へ乗り換える「帳合変更」をする書店も続出し、加えてキョーハンブックスでは新刊点数と販売部数の落ち込みが止まらず業績が悪化していました。

信用情報大手の東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、地図共販が昨年9月の決算期まで6期連続赤字決算を記録していたところへ、今年に入って複数の出版社が取引を打ち切ってきたのが致命的となって事業継続困難に陥り、キョーハンブックスも地図共販の事業停止で連鎖的に事業継続ができなくなったと伝えました。さらに、東京で発行されている業界専門紙『文化通信』は、地図共販からそれら版元に対する支払いが滞るなど資金繰りが極度に悪化したのが原因と報じています。

『歩くガイドシリーズ』のうち、バンコク編は例年7月に最新版がキョーハンブックスを版元として発売されていましたが、今年はこの事態でどうなるか微妙。下川はキョーハンブックスに代わる版元を一日でも早く見つけるべく、奔走しています。

2017年2月15日水曜日

白昼堂々!KLIA2で金正男氏暗殺!!

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の3代目最高指導者、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母長兄に当たる金正男(キムジョンナム)氏が13日朝、訪問先のクアラルンプール・KLIA空港で突然倒れ、現地の病院に運ばれたものの死亡が確認されたと、韓国の報道機関が一斉に伝えました。享年46歳でした。倒れる直前に工作員(スパイ)とみられる女性と接触したとの情報もあり、北朝鮮本国の指令による暗殺の可能性も取り沙汰されています。

国営ベルナマ通信(電子版)が現地警察トップによる記者会見を引用して伝えたところによると、正男さんと見られる男性は13日のAirAsia(AK=AXM)8320便マカオ行きに乗るため、AirAsia専用の第2ターミナル(KLIA2)でチェックインを完了、出国審査場手前の一般エリアで過ごしていたところ係員に体調不良を訴え出たといいます。男性は直ちに行政上の首都であるプトラジャヤ市内の病院に送られたものの死亡が確認されたとのことです。

その際、「KIM CHOL(キムチョル、漢字では金哲と書くのではないかと推測)」名義の北朝鮮パスポートを持っていたとのことで、韓国の消息筋は正男さんが過去にこの名義のパスポートで何回も出入国した経験があると指摘、マレーシアの英語紙も「死亡した男性の風貌が海外で出回っていた正男さんの写真に瓜二つ」と伝え、死亡したのは正男さんだと結論付けました。

正男さんは体調不良を訴える際に

「顔に液体のようなものをかけられた」

と述べたと日本の朝日新聞が伝えていますが、韓国の聯合ニュース通信は

「身元不明の女性2人に毒針で殺害されたとされる」

と伝え、一方でベルナマ通信は

「顔に化学物質を含んだ布をかぶせられた」

と書いており、正男さんが致命的不良を訴えるまでの過程はわかっていません。このため、マレーシア警察当局は近く司法解剖を行って詳しい死因を分析するとしています。

正男さんは、北朝鮮の2代目最高指導者だった金正日(キムジョンイル)総書記と、人民俳優(女優)だった成蕙琳(ソンヘリム)さんの間に生まれました。パスポートには1970年(主体59年)6月10日生まれとのデータがあったとしていますが、日本語Wikipediaでは1971年(主体60年)5月10日生まれとあり、どちらが正しいのかはわかっていません。

Wikipediaによると、正男さんは平壌にある金日成総合大学を卒業後、朝鮮労働党中央委員会作戦部で電子戦組織(通称『サイバー軍』)の確立に貢献、総書記の後継者争いに名乗りを上げたと伝えられます。

しかし、2001年(平成13年)5月1日、シンガポール・チャンギ空港から日本航空(JL=JAL)710便で成田国際空港(千葉県成田市)に到着した際、第2ターミナルの入国審査場で係官に偽造パスポートを見破られ、逮捕されてしまいます。正男さんは東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で2日間過ごした後、退去強制となり中国へ向かいましたが、この一件で総書記の心象を一気に悪化させ後継者争いから脱落。本人もそれ以後は

「北朝鮮の内政には関心がないしもし(指導者に)させられたとしても絶対にやらない」

と漏らすようになり、生活の拠点を北朝鮮国外へと移していきました。

そのうち、自分より14歳も下の末弟である正恩氏が後継としての地位を固めると

「父(正日総書記)しか決められない。逆に言えば父の決定だから仕方ないし従うほかないが三代世襲は個人的には反対だ」(2010年10月12日のABC・テレビ朝日系『報道ステーション』で放送されたインタビューより)

と述べて、逆上した正恩氏から何度も暗殺を仕掛けられたといわれました。

そして、今回の事件に至る訳ですが、マレーシアは北朝鮮国籍者がビザなしで1カ月間在留できる数少ない国の一つ。正恩氏率いる北朝鮮当局が正男氏暗殺を実現するならマレーシアだとばかりに工作員を送り込んだとしか考えられません。シンガポールは昨年10月から北朝鮮国籍者はビザが必要になっており(前記事「シンガポール、北朝鮮国籍者にビザを要求へ」参照)、選択肢が絞り込まれた矢先の出来事だったといえます。

多くの人が行き交う空港での白昼堂々の出来事だったにもかかわらず、正男氏以外に死者がいなかったのもしっかりと訓練されていた工作員の犯行であることを伺わせます。検死に立ち会った在クアラルンプール韓国大使館の職員は

「北朝鮮がこの手のテロでよくやる典型的な毒殺だ。毒物はVXガスの可能性がある

と述べたと共同通信が報じています。VXガスは、日本でもオウム真理教事件で使われ1人が死亡したことで知られています。今回の正男氏暗殺も、オウム真理教事件で実際に死者が出た1994年12月の事件と実行方法がよく似ており、可能性は高いと見られます。

2017年2月11日土曜日

東京シャトルを予約済みでも「繰り上げ」乗車できる!

京成バス(千葉県市川市)が運行している東京駅と成田空港を結ぶ格安バス『東京シャトル』は、営業開始5年目に入ってさらに利用客を伸ばしています。元々インターネット旅行代理業大手『楽天トラベル』(運営会社:楽天=東京都世田谷区、東証1部上場)で事前予約を受け付けていますが、これにはちょっとしたからくりがあります。

東京駅発の予約便に乗り遅れた場合、乗車券は無効になり買い直しが必要になります。しかし、予約便よりも前の便に乗る場合は、空席があれば認めているとのことです。京成高速バスラウンジ(東京都中央区)によりますと、この措置を行うことで空席を残したまま発車しようとした前の便は1席でも埋まり、元々予約していた便には飛び込みのお客様を新たに受けることができるようになって収益に貢献できるのだそうです。

一方、成田空港発の予約は日付のみを指定して発売する仕組みで、その日の出発便なら何時でもOK。これは、便指定の場合到着便が遅れて無効になるお客様が続出するためだとのことです。国際線では一度遅れると数時間単位になることもあるため、JRの成田エクスプレスや京成スカイライナーのように便指定で事前に買うのは難しく、THEアクセス成田のような当日飛び込みのみと、便指定の中間にあたる日付指定予約を導入する事にしたといいます。

(画像:成田エクスプレスの特急券購入待ちで行列ができる。空港第2ビル駅にて撮影)

東京シャトルの予約は、下のバナーからできます。「空港連絡バス」のジャンルを選んでご利用ください。

2017年2月10日金曜日

静岡県から成田へは「東京乗り継ぎのバス」が便利

成田国際空港(千葉県成田市)と関東・中部地方の各地を結ぶリムジンバスは年々充実していますが、山梨県や静岡県など距離のある地域へは本数が少なく、早朝深夜便や格安航空会社(LCC)のニーズに対応した運行をしないなど利便性が悪いことも多く困りものです。東京駅まで片道1,000円前後の激安バスで行き、ハイウェイバスに乗り換えた方が安く、速く行くことができます。

例えば静岡県へ行く場合は、東京駅でJRの『東名ハイウェイバス』に乗り換えるのが最も手っ取り早い方法です。

御殿場市であれば、名古屋方面へ直通する『超特急スーパーライナー』(JR東海バス)と御殿場で分かれる『東京~箱根線』(JRバス関東&小田急箱根高速バス)、それに御殿場プレミアムアウトレットへ直行する『プレミアムアウトレット号』の3ルートが利用でき、3ルート合わせて1時間に3本ある時間帯も。『THEアクセス成田』と東名ハイウェイバスを乗り継いだ場合、1,000円+1,580円=2,580円で、3割もお得になります。これが富士急静岡バス(静岡県富士市)の成田空港直行便となると、1日2本しかなく運賃も4,100円かかってしまいます。

逆に、御殿場インターを21時過ぎに通過する最終の東京行きスーパーライナーに乗れば、東京着23時。日付が変わった後の午前1時30分に出る『東京シャトル』(京成バス)の深夜便に余裕で接続できます。成田着後は2タミ1階の北ウェイティングエリアで朝まで過ごせるので、翌日早朝発のLCC国内線やタイエアアジアX(XJ=TAX)、Scoot(TZ=SCO)のバンコク行きにチェックインするのであれば、バスを使って早めに成田入りするのも手でしょう。

裾野市、長泉町、沼津市方面へは『さんさん沼津号』(富士急シティバス=静岡県沼津市)が1日5往復あります。東京駅を午前に発車する便がないため、東南アジアなどから早朝に到着する便では東京駅到着後かなり待たされることになりますが、それでも沼津駅北口まで1,000円+2,060円=3,060円で、直行便の4,600円と比べて34%も安くなります。往復利用も可能な2枚つづりの『得ダネ回数券』なら、さらにお得です。

富士市・富士宮市方面は『やきそばEXPRESS』(JRバス関東&富士急静岡バス)が1日11往復運行。こちらは沼津線と違って東京駅午前中発の便があります。東京駅10時丁度の発車で、成田2タミを8時丁度発の東京シャトルに乗れば間に合い、お昼休みの時間帯に富士宮へ到着します。運賃は通常でも1,000円+2,570円=3,570円で、直行便の5,300円との差は歴然です。

静岡市の場合、成田空港への直行便(しずてつジャストライン=静岡市葵区)が2016年7月31日を最後に運休となっているため、現在は東京か横浜で乗り継ぎが必要。『超特急スーパーライナー』『特急東名ライナー』の東名静岡停車便が1日18往復、急行静岡駅行きが1日4往復あります。

山梨県では、東京駅で乗り換えできるのが『東京駅~河口湖線』(富士急山梨バス=山梨県富士河口湖町)しかありませんが、富士吉田市、富士河口湖町、忍野村へは1日2往復の直行便(京成バス)と比べて時間の選択肢が広がります。運賃も河口湖駅まで1,000円+1,800円=2,800円で、直行便を前日までに予約した時の割引よりもさらに500円安くなります。

2017年2月9日木曜日

基幹バスBRT廃止へ、4月30日限り

首都圏政庁とBTSグループホールディングス(チャトチャック区、SET上場)は、バンコク首都圏唯一のバス高速輸送システムである基幹バスBRTサトーン~ラチャプルック線の営業を4月30日(日)限りで終了すると発表しました。ヤンナワ・バンコーレム両区の市民の足として利用されてきましたが、開業からわずか7年で廃止されることになります。


BRTは、アピラック・コサヨーティン長官時代の2004年頃に企画され、UDD軍の戦乱が終わった2010年5月29日に営業を開始しました。首都圏政庁と外郭団体のクルンテープタナコム(プラナコン区)が、BTSグループに運営を委託。さらに実際のバスの運行は、民間委託バス大手のプレミアグループ(プラウェート区)に下請けさせるという複雑な権利関係になっていました。

当初は一律10Bt.均一の運賃でしたが、2013年5月から半額の5Bt.均一に値下げして集客を図りました。しかし、このキャンペーンでも思ったように乗客数が伸びず、逆に赤字を増大させてしまいます。

キャンペーンでは沿線の商業施設への誘客が期待されましたが、アクセスが不十分。同時に1,000人を収容できるバンコク有数の大規模ビアホール『タワンデーン』はBRTナララム3駅の目の前にあり便利ですが、地区最大のSC『セントラルプラザラマ3』(ヤンナワ区)へはタノンチャン、ナララム3の両駅からかなり距離があり、歩いて行けません。ワットダン駅に近い『Int Intersect』(ヤンナワ区)は撤退するテナントが相次ぎ、屋上1フロアが丸々空いてしまいました。BTS沿線のスクンビット22から移転した『マンボキャバレー』(ヤンナワ区)は、外国人団体客が貸切バスで乗り付けるのが主流で来場手段にBRTを使う観客はほとんどいませんでした。

キャンペーンは2016年1月31日で終了し、首都圏バス公団(BMTA)系の民間委託エアコンバスと同じ本運賃に移行しましたが、キャンペーンがただでさえ一律5Bt.だったと安すぎたため区間によっては最大で4倍もの大幅な値上げとなり、ますます利用客離れを招く結果になりました。クルンテープタナコムは2016年3月の時点で廃止を検討し始め、現在構想段階にあるMRTグレーラインのオープンと引き換えに廃止という提案をします。

そこまでの策として、昨年10月からプロモーションを再開。大人は5Bt.と10Bt.の2段階の運賃としました。ところがこれも首都圏政庁の財政悪化で持ちこたえられなくなり、グレーラインの建設が始まる前に最終決断をしなければならないところまで追い込まれました。

折しも、ラマ9世橋駅近くの『カナパヤリバーフロント』(バンコーレム区)に期間限定でオープンした『しゃかりき432"@Canapaya Riverfront』が好評を得て5月以降、Int Intersectに移転し常設化を決めたという明るいニュースがあったものの、新店オープンの直前で頼みの公共交通機関が廃止というとんでもない状況に。しゃかりきIntの開店後は、MRTブルーラインクイーンシリキットセンター駅から[205]を使わなければならなくなります。

2017年2月8日水曜日

新生銀行の住所変更には「戸籍の附票」が必要!!

犯罪収益移転防止法(2007=平成19年法律22号)の改正により、日本では銀行口座を開設する時の本人確認が非常に厳重になっていますが、それだけではありません。住所の変更であってもかなり厳しい手続きを要求しているところがあります。

新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)は、1998年(平成10年)に破綻する前の旧日本長期信用銀行の時代から金融債を扱ってきた関係で、普通銀行転換後の現在でも住所変更は他行と比べて手間がかかります。

総合口座『Powerflex(パワーフレックス)』だけを利用していればネットバンキング『パワーダイレクト』だけで手続きが完了しますが、預金だけでなく投信や現物株売買取次、旧長銀時代からの金融債取引(『リッチョーワイド』)などがあると、郵送での手続きになってしまいます。

キャッシュカード、パワーダイレクトの取引に使う『セキュリティカード』の再発行が同時に行われる場合も郵送手続きが一部必要になります。また、新生銀行の場合フィナンシャルセンター(支店)での来店手続きと郵送での手続きは一部異なっており、店頭で手続きをしようにもできずにパワーコール(テレフォンバンキング)へ電話するように指示され、郵送手続きを求められることすらあります。

犯罪収益移転防止法ができる前でも、住所変更には新住所において公共料金の請求書が本人名義で届いている必要があると規定していました。また、『新生お取引レポート』(ステートメント)が宛先不明で戻ってくると、翌日からキャッシュカードでの出金がストップになってしまいます(前記事「長期パッカーが背負うカード停止のリスク」参照)

現在は手続きがさらに厳しくなり、住所変更届が受け付けられたれた後、確認のハガキを旧住所に転送不要扱いで郵送し、それが銀行側に戻されてきた時点で手続きが完了するといいます。万が一、ハガキが受け取られてしまうと、新旧両方の住所を証明できる公的書類が必要になります。

運転免許証の裏面か、マイナンバーカード(個人番号カード、他国のIDカードに相当)の表面に新住所の記載があればいいですが、それが用意できない場合に両方の住所を証明できるのは、戸籍の附票住民票の除票です。住民票の除票は転出後5年間に限って発行できることになっていて(住民基本台帳法施行令34条)、なおかつ旧住所は直前に住民票があった1ヶ所しか載らないため、転居手続きを怠ったままさらに他の場所へ転居した場合や、転居の前後から5年以上休眠状態になっていた口座を再開させるときなどは、戸籍の附票を取らなければなりません

戸籍の附票は、本籍地の基礎自治体役所に申請します。下宿中の大学生や、地方から上京した独身社会人など現住地と本籍地が離れている場合は、郵送で申請します。その際に本人確認書類を要求されますが、マイナンバーカードであれば表だけの片面コピーで済むものの、自動車運転免許証は表裏両面のコピーが必要です。

なお、新生パワーフレックスを利用できるのは日本に住民登録のある個人に限られます。外国送金等調書法(1997=平成9年法律110号)改正で海外との送金取引にマイナンバー(個人番号)が必要になったため、および旧長銀以来の債券総合口座がパワーフレックスに一本化されることの2つの理由により、昨年8月の規定改正で明文化されたものです。従来海外へ転居する場合は、日本国内での手続きを頼める代理人を立てることで口座は維持できましたが、今後は住民票を抜いた時点でパワーコールに連絡し、パワーフレックス自体を解約しなければならなくなりました(パワーフレックス共通規定1-(2))

2017年2月2日木曜日

ゆうゆう窓口の時間短縮進む、深夜の受け取りが不便に

JP POST 日本郵便(東京都千代田区)は、旧郵政省時代に「集配普通局」とよばれていた大きな郵便局に設けている『ゆうゆう窓口』の営業時間を短縮する取り組みを行っています。企業などが多い都心ならまだしも、地方での時間短縮は利用者にとって不便極まりありません。

郵政省・日本郵政公社時代は、ゆうゆう窓口は24時間・365日営業が当たり前でした。しかし、生活に必要な手続きの電子化が進むにつれて、24時間開けておく理由が薄れるようになりました。

・コンビニ大手のローソン(東京都品川区、東証1部上場)との提携で郵便局が営業していない夜間や休日でもゆうパック(小包)の発送受け付けができるようになった。またローソン全店にポストが設けられ、レターパック・スマートレター(切手付き封筒)などの販売も行うようになった
・『e内容証明』の登場で窓口での差し立てを要する特殊取扱の種類が1つ減った
・書留郵便の不在に伴う再配達や転送がゆうびんホームページ上から受け取る人の都合に合わせて指定できるようになった
・一部地域では地域区分郵便局(郵政省時代の郵便集中局に相当)の開局で集配郵便局の機能の一部が移管された
・東京都心など定住人口の少ない地域でゆうゆう窓口を24時間開けておくのが非効率と判断された
・民間宅配業者からゆうゆう窓口を24時間365日、全国の多くの場所で展開することが民業圧迫だとの指摘を受けるようになった

これらの理由が重なって、日本郵便ではゆうゆう窓口の営業時間短縮に踏み切ることになりました。

東京都内では、2011年(平成23年)頃からゆうゆう窓口の24時間営業をやめる郵便局が出始めました。麹町郵便局(東京都千代田区)や芝郵便局(東京都港区)などビジネス街を抱え、夜間の定住人口が少ない地域から時間短縮が始まっていますが、それでも23区内の集配局はまだ多くが24時間営業をしています。

都内のビジネス街でも銀座郵便局(東京都中央区)、新宿郵便局(東京都新宿区)などでゆうゆう窓口を24時間開けて対応できる体制を整えていますが、今年に入って新たに上野郵便局(東京都台東区)、日本橋郵便局(東京都中央区)など複数の郵便局が24時間営業をやめることになりました。

地方では大都市圏以上に集約化が進んでいます。静岡県を例にとると、地域区分局の静岡郵便局(静岡県富士市)が開局するのに合わせ、東部・中部で最後まで24時間対応していた静岡中央郵便局(静岡市葵区)と沼津郵便局(静岡県沼津市)が2月5日(日)で24時間営業を終了します。東部ではさらに三島郵便局(静岡県三島市)と富士郵便局(静岡県富士市)もゆうゆう窓口を平日は夜9時、土日祝日は8時で閉めることにします。

静岡中央郵便局にはゆうパックの受け取りが24時間できる宅配ロッカー『はこぽす』が設けられるものの、これによりゆうゆう窓口は事実上、土日祝日の昼間に書留郵便や本人限定受取郵便(新規発行されるクレジットカードやキャッシュカードなどの送付に使われる)、ゆうパックなどの受け渡しを行うことに特化する形となります。

ただし、どうしても窓口で出す必要があるのが『書留』『特定記録』『引受時刻証明』『配達証明』です。これらはローソンの店頭で受け付けてもらう訳にいかず、ゆうゆう窓口が閉まってしまうとどうしようもありません。

2017年1月14日土曜日

デルタ航空成田~台北線廃止!!チャイナエアラインに事実上移管

デルタ航空(DL=DAL アメリカ・アトランタ、NYSE上場)は、旧ノースウエスト航空(NW=NWA)の羽田空港時代以来通算で60年以上に渡って運航してきた成田~台北桃園線を、5月24日(水)限りで取りやめると発表しました。同じスカイチームメンバーズのチャイナエアライン(CI=CAL 台湾桃園市、台湾証取上場)が多くの便数を運航し、さらに今年夏ダイヤからはチャイナエアラインと日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)とのコードシェア提携も本格的に始まることから、事実上チャイナエアラインに引き継がせる形での撤退となります。

《成田発5月23日、桃園発24日の運航をもって取りやめ》
DL069 NRT1700~TPE2035 水・木を除く週5便
DL579 NRT1700~TPE2035 水・木運航

DL068 TPE1130~NRT1535 火・水を除く週5便運航
DL578 TPE1130~NRT1535 火・水運航

(機材はB763ER デルタワン=ビジネスクラス26席、コンフォートプラス=プレミアムエコノミー29席、メインキャビン=エコノミークラス171席)
旧ノースウエスト航空は、終戦直後の1947年(昭和22年)に日本への国際線運航を開始し、中華民国へは1950年代前半に羽田~那覇(当時は米領)~台北松山~香港という路線を週3便運航していた記録が残っています。1968年(昭和43年)には、伊丹~那覇~台北という路線も開設。沖縄の日本復帰、米台断交の後も、無制限以遠権を軸としたノースウエストの日本ハブ政策によって維持され、1978年(昭和53年)の成田空港開港と同時に成田へ移動してきました。

2004年(平成16年)、成田~広州白雲線の新設と引き換えに一度は台北桃園線の運航を取りやめましたが、広州線は中国南方航空(CZ=CSN 中国広東省広州市、上海A株・香港H株上場)のスカイチーム加盟により事実上移管される形となり、2008年(平成20年)8月30日限りで廃止。翌31日から台北桃園線が復活しました。

台湾国営中央通信(電子版)は、理由について会社側が

「羽田空港の発着枠増加と成田空港の交通量減少の影響」

と説明したと報じました。しかし、ニューヨークで発行されている台湾系中国語紙『美国世界日報』(電子版)は、

「成田~桃園線デルタ便の過去3年間の平均搭乗率は80%以上で推移しており、採算は取れていたが格安航空会社(LCC)の台頭で客単価が下がっていて、それに加え同業他社が北米と中華圏を結ぶ輸送を日本経由から直行便へと切り替える流れにあるため廃止に踏み切る。実際、デルタはシアトル~台北桃園の直行便を開設する意思も表明している」

と伝えました。

日本経由便を直行便に切り替えようとしているのは、ユナイテッド航空(UA=UAL アメリカ・シカゴ、NASDAQ上場)で、ユナイテッドの成田~台北線は2012年(平成24年)夏ダイヤ限りで廃止されています。つまり、先に廃止になった成田~バンコク線と同様に、ユナイテッドが廃止した路線に残っていたデルタ便を、同じアライアンスのパートナー社へ移管する形で廃止とし、将来的な北米と台湾の間の直行化への布石を作ると考えれば話は早い訳です。

この報道が出る直前の1月10日、チャイナエアラインと日本航空は現在羽田~台北松山線のみとなっているコードシェア運航を日台間の全便に拡大するという発表を行いました。予定通り実施されれば、成田~桃園間はチャイナエアライン運航の毎日3便に加え、日本航空運航の毎日2往復もデルタからの乗り継ぎに使えるようになり、デルタは自社便を廃止しても代替できると最終判断した模様です。

2017年1月8日日曜日

忘れ物のガラケーを日本へ郵送できなくなった!!

タイランドポスト(郵政庁、ラクシー区)は、大型のリチウムイオン電池に続いて携帯電話やスマートフォンなどに使われる小型のリチウムイオン電池も危険物として、海外への発送受け付けを拒否しています。

リチウムイオン電池の航空輸送は、昨年4月以降厳しい条件が付くことになりました(前記事「電動スケートボードは飛行機で運べない」参照)。ホバーボードなどに使う大型の電池は一切受け付け不可能になりましたが、スマートフォン、デジタルカメラ、ガラケー(フィーチャーフォン)などに使われている小型のリチウムイオン電池は、条件付きで輸送が可能でした。

しかし、昨年10月にサムスン電子(韓国・水原市、NYSE・韓国証取上場)の最新機種『Galaxy Note 7』が電池周りの欠陥で発火・爆発するなどトラブルを連発して生産中止に追い込まれ、これ以降他のスマホなどに使われる小型リチウムイオン電池も航空輸送を拒否されるケースが出るようになったのです。

正月が明けた1月4日、プラカノン郵便局(ワッタナ区)では日系不動産屋のスタッフが

「お客様が忘れて帰ったガラケーを日本に送らなければいけないが受付拒否された」

と語っていました。リチウムイオン電池単体(本体から外した状態)では当然受け付けられません。取り付けていたとしても、電池の容量や1回に送れる個数に制限があり、なおかつ予備バッテリーが同梱されていると単体扱いになってしまい受け付けられないといいます。このため、郵便局員が面倒臭がって本来受け付けられるものでも個人の裁量で拒否してしまう可能性があるとのことです。

このガラケーは、ふくちゃんが偶々近い日付で日本へ向かう予定だったため、お預かりして手荷物で成田国際空港へ運び、お客様に無事届けることができました。