2006年11月22日水曜日

「Bビザ以外」に厳しい日本人会

 ここタイの在留邦人を束ねるべき「タイ国日本人会」 は、個人会員数が1万人近くに達する一方で、最近増えてきた定年退職者や国際結婚カップルなどのいわゆるロングステイ組に対して排他的な態度を取るなど、「駐在員が仕事をする権利だけを守る」という旧態依然とした姿勢が批判を浴びています。

 管理者ふくちゃんの知り合いのある邦人は、日本に残してきた資産の満期日の関係で、2007年12月まではビザなしでタイとカンボジアを往復しなければならないといいます。ある日、日本人会に入会しようと本館(バンラック区)を訪れたところ、スタッフに根掘り葉掘り質問され、それに素直に答えたところ冷たくあしらわれたそうです。「ロングステイの人間も簡単に受け入れてくれるのかと思ったらそうじゃない」と言って入会を諦めました。
 この話を聞いた永遠名誉董事長、下川裕治もむしろ批判されて然るべきと述べています。


(画像:日本人会本館のあるサトーンタニ1ビル)

 日本人会の事業内容を詳しく調べてみますと、「泰日協会(バンコク日本人)学校中学部の部活に代わるサークル活動」があります。すなわち、生徒が部活動に参加するには、本人が日本人会の家族会員でなければいけません。家族会員になるということは、親が日本人会本会員でなければいけないのです。
 それ以前に、日本人学校に子供を入学させるには、「親と子供の両方が適法に在留していること」(日本人学校HP「入学のしおり」より)とあり、具体的には親がノンイミグラントBビザ+ワークパーミットを持っていることが前提条件になるといいます。親のビザがBビザ以外でも入学許可は下りるそうですが、永住またはそれに準じる在留(フルイミグラントI、ノンイミグラントO(ロングステイ、結婚、タイランドエリートクラブ会員用特殊))の場合、子供が義務教育を受けるのに必要な日本語の教科書すら、無償配布が受けられず購入しなければならなくなる恐れがあるという、致命的な欠点があります。
 そうであれば、Oビザを取得している在留邦人の権利を本国に対して主張するのが、日本人会の任務であるはずです。しかし、タイ国日本人会はOビザ組やビザなし、あっても正規観光ビザしかない沈没組といった「底辺の邦人」に対して極めて冷たい。底辺だからと言っても、外国人である以上普通のタイ人勤労者に比べれば何倍何十倍もの持ち金はあるんですから、少なくとも同列に扱われないといけないのに、駐在員やタイで独立した企業経営者が特権階級で、それに入れない現地採用者やOビザ組、沈没組を底辺だと見下すための組織、いわばタイに進出している日本企業のもの、法人会的な組織に成り下がっていると言われてもおかしくないのです。

 バンコクでは既に、Oビザ組や沈没組だけを対象にした親睦会的な組織が、わかっているだけで2つあります。「ロングステイ日本人の会」と、「ロングステイタイ暮らしの会」です。既にOビザ組や沈没組の総数はBビザ取得者のそれよりも多くなっており、今後これら組織の役割がますます大きくなると確信しています。いずれ、管理チームが例会に参加して、Traveler's Supportasiaで詳しく取り上げます。

・ロングステイ日本人の会
 毎月第2水曜日18:00~ マッカサン・プリンスホテル9階会議室
・ロングステイタイ暮らしの会
 毎月最後の土曜日18:30~ トンロー・グランドタワーイン2階「きこり」