2007年1月14日日曜日

ビザなし沈没在留者、岐路に立つ

 昨年10月1日から入管移民法の運用が厳しくなって、既に3ヶ月が過ぎました(前記事「タイのビザ制度に大きな変更!!」参照)。注目されていたビザなし6ヶ月90日ルールがいよいよ本格的に動き出し、ビザなし渡航を繰り返していた沈没在留者は、大きな転機を迎えています。


 こちらバンコクで発行されている英字紙「バンコクポスト」と、同じ版元のタイ語高級紙「ポストトゥデイ」のクラシファイド(別刷り広告)には、これまでも踊っていた「カンボジアでのビザラン」に加えて、最近「ツーリストビザ取得ツアー」の文字が目立つようになりました。その多くは空路ペナン入りするか、第2友好橋を渡って在サワンナケットタイ領事館(ラオス)を目指すもの。
 韓国系のビザランツアー最大手「ジャックスゴルフ」によりますと、陸路の場合は2泊(うち車中1泊)3日(1月14日出発分から変更)でサワンナケットに行き、正規ビザを仕上げるそうです(前記事「タイビザの発給基準、未だに曖昧」参照)
 日系のビザランツアー専門業者「トンボトラベル」は、ペナンへの正規ビザ取得ツアーを他社より2,000Bt.近くも高く設定していますが、ツアーに参加してビザを取得した人にはそのビザが切れた後、1回あたりわずか600Bt.で3回(3ヶ月)ビザランツアーに参加できるという割引制度を導入。トータルで、他社の同様のサービスを利用して5ヶ月間在留したときとほぼ同等かそれよりも安い値段(11,600Bt.)に調整しました。

 一方、バンコク首都圏やプーケット、チェンマイなどから国境へ向かうビザランツアーは確実に需要が減っています。昨年10月以降もビザなし渡航を続けている沈没在留者は、正規ビザ取得ツアーで入国する分を除いても年に6回しかビザランツアーを使えなくなる計算です。ビザ相互免除で規制の対象外となっている韓国国籍者でも1年に最高4回しか使いませんから、ツアー会社はただでさえ減収になります。
 そこへ、上客だった日本国籍者のラオスビザが免除になるというニュース(前記事「ラオス、1月から15日間ビザ免除」参照)が入り、ビザランでラオスに向かう日本人の沈没組が一気に増えました(前記事「実証!ラオスにビザなしで行ってきた」参照)。これは特にバンコク首都圏からカンボジア国境へバスを出しているツアー会社にとっては致命的ダメージで、ツーリストビザ取得ツアーへのシフトをはっきり印象付ける結果になりました。
 サパンプラ(ラノーン県)にビザランに来る南部在住の欧米人はツアーに参加する時点でオーバーステイの人もいて、現地で罰金を払えなかったり、抜き打ちパスポートチェックに遭ってイミグレ目前で摘発という事例が後を絶ちません。

 それらの条件があっても、今回の規制を機に帰国や沈没在留卒業を選択する人が少なからずいます。カオサンでは、ママズゲストハウスを拠点にしていた沈没組数人が既に帰国。PCゲストハウスでは管理者ふくちゃんの古くからの友人でもある常連が、就労先を見つけBビザへの切り替えに成功しています。タイグリーンゲストハウスやカオサントラベラーズロッジなど他の日本人宿でも動きが見られます。

 在バンコク日本大使館のまとめによりますと、職業を「自由業ないしはその家族」「その他」として在留届を出している人は5,300人以上。実際にはその3倍はいるとされており、少なからぬ影響が予想されています。管理者ふくちゃん、副管理者fortunesawadaも方法を考え、ギリギリのところまで追っかけていくつもりです。今後のエントリに注目してください。