2007年1月21日日曜日

サワンナケットで朝食を

(文・写真:副管理者fortunesawada)
 久しぶりのラオス。気候もよく、日差しは強いものの、暑さはそれほどでもない。当然、不快指数はほとんどない。
 そしてここは、サワンナケット。メコンを挟んで、対岸はタイ国。通称、「サワン」。ラオの言葉では、「天国」とか「浄土」とか言う意味があるそうだ。特別何も無い、何事も無い、静かな町。だが,ゆったりと、のんびりするにはとてもいい。旅行者達もそんなつもりでやってくる。寛ぐには素晴らしい所だ。

 ラオスは他のアジアの国々と違って,あまり屋台の飯屋が多くない。その理由は、自給自足の生活の長いラオの人々は,外食という習慣が余り無いことにもよるのだそうだ。


 今年になって、日本人に対してビザの優遇措置が取られていて(前記事「ラオス、1月から15日間ビザ免除」参照)、ラオスはのんびりと寛ぐには素晴らしい国だ。まだまだ、タイ等に比べれば、ずっと経済的に安く旅が出来る。そしてここにしかない大いなる寛ぎがある。

 ラオスは昔からタイとは仲が良い。言葉も近いものがあるが、ラオの文化はタイと共通するような料理も多く,川魚、肉、野菜はふんだんに取れる。味も,いい。タイのスパイシーな味と比べると、大分マイルドだ。だが、一般的に言えば、より日本人向きと言えるだろう。

 ラオス、正式名称「Lao P.D.R.」は、一時期フランスの植民地だったこともあって、フランスパンが美味しい。バター、ジャム、チーズ、パテ、肉や野菜を挟んだものが,あちこちの家の前でも売られている。それは、インドシナ三国、ベトナム、カンボジアと同様だ。安い値段で、旨いサンドイッチが食べられる。これは、天下一品だ。パンのうまさは、フランス人が保証する程で、フランスよりも旨いという。朝食やランチはこいつと、オムレツがあればいう事は無い。苦みの利いた、カフェ・ラオ(ラオスコーヒー)で決まり。
 そのせいかどうかは判らないが、フランス人の、旅慣れた粋な旅行者達が多い。イギリス人のインドと並んで、フランス人のラオスに対する想いには、何か深いものがあるようだ。自分の国以上に愛しているかの様だ。
 一寸下町に行けば、当然、フランス料理、ラオ・フレンチ料理の店が何軒かはある。フレンチっぽいラオス料理、特に川魚の料理はいける。フレンチフライのポテトは勿論お手の物。ワインもいけるそうだ。

 今晩の晩飯は、タイで言う所のウンセン、つまり、細めのビーフンの料理にした。メコン川沿いに在る、ラオ・フレンチのレストラン。「ラオ・パリ」という店だ。
 店の見てくれは良くないが,お客が一杯入っている。そして、雰囲気がいい。まるで、モロッコのマラケシュのカフェみたいに寛いで、おしゃべりに花を咲かせている。
 夕日を見に川の近く迄やってきた所、首都ビエンチャンやタイから来たオーストラリア人、フランス人達や、ベトナムのフエから来た若者、バスで一緒になったタイ人の夫婦(奥さんはイギリス人)が旨そうに食べているのにつられてしまった。タイ人夫婦達は、ラオスに来てまで,トム・ヤムのスープを食べている。「タイとはひと味違う、最高だ!」と言う。人気の在る、混んでいる店は、間違いなく旨いのだ。

 ビーフンと野菜と豆腐(生揚げ)の入った、ウンセン・パッタイ(焼きそば)。ラオ風の醤油味で、この料理に関しては、日本の醤油よりも旨い。おまけに、豆腐も野菜もビーフンの倍以上も、沢山入っていて、彩りも鮮やかに美味しい仕上がりであった。お腹いっぱいになる。焼きそばにも,ライムを絞るのだが、ライムのジュースが料理に合う。インドでもタイでも,料理にライムを絞って旨味を引き立てる。ライムはうまいね。仕上げは、カフェ・ラオ。

 元気が蘇った所で、明日はたまには魚を食べてみようかな。ヨーカーオ(川魚の春巻き)とカイペーン(川海苔のフライ)でも食べてみよう。今は,食事が何よりの楽しみになっている。何処の国も旨い。

 最近、タイにいても、空芯菜炒めのぶっかけ飯とか、バジルや野菜のスープや炒め物、豆腐のカレー、豆のカレー(ダール)がやたらと美味しい。たまに,魚や鳥も食べるようにしているが、このところ、ベジタリアン中心だった。今、身体が要求するからなのだ。きっと,精神疲労が少したまっているのかもしれない。
 素直に、その通りにしている所為か、身体も軽く、意識もクリアになり、波動も整って、すこぶる調子が良い。無論,イスラム料理、和食や中華も含めての話だが、アジアの飯は本当に旨い。旅の疲労もすぐ取れてしまう。
 当たり前の話だが、ラオの食事は、此処の風土にあっている。土地の味にはその土地ならではの知恵がある。日本だったら、和食がうまいのと同じことだ。そして、この生活のペースとリズムがいいのだろう。

 今,とてもアット・ホームだ。身体は頭よりも賢い。

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 ムクダハンからサワンナケットへは、国際特急バスが出るようになった。副管理者fortunesawadaも早速、乗った。ムクダハンの特急バスターミナルから1日6便、45Bt.。ただし、第1友好橋のバスと違って時刻は結構いい加減なので、気をつけてほしい。
 また、タイ側からビザなしでラオスに入国を希望する日本人は、このバスを使わなければいけない。従来からの渡し舟は、ラオス側から乗るのは全然OKだが、タイ側からラオスへは、ビザを事前に取得している人に限られる。