2007年2月28日水曜日

JALカードSuica1枚だけの海外旅行は超厳しい!!

日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)の子会社「JALカード」とJR東日本(東京都渋谷区、東証1部上場)が提携して、鳴り物入りで登場したはずの「JALカードSuica」。発売から1年経っても、カードを持って旅をしている人になかなか出会いません。実は、JALカードSuicaを海外旅行に持ち歩くには、かなりのリスクを背負わないといけないのです。ましてや、JALカードSuica1枚しか持ち歩かないという人は、バックパッカーはおろか短期出張のビジネスマンでもまずいません。なぜなんでしょう?


《JCB1種類しかない》
JALカードSuicaの国際ブランドはJCBだけ。しかも、同じJALカード社が発行している「JAL JCBカード」がJCBのフル機能を搭載しているのに対し、JALカードSuicaのJCB機能には制限があります。これは、決済機能と交通系電子マネー機能について、JR東日本が発行している『ビュー・スイカJCBカード』をベースに設計されているためです。

《既存会員も審査やり直し》
JALカードSuicaだけは、Suica電子マネーの管理の都合上他のJALカードと審査・発行体系が異なります。このため、既に「JAL VISAカード」や「JAL MasterCard」(国際ブランド部分の発行会社は三菱UFJニコス=東京都文京区)などを持っていても、JALカードSuicaは改めて新規で申し込まなければならず、審査もやり直しとなります。既存会員だからといって無条件に追加発行を受けられる訳ではありません。

既存会員がJALカードSuicaの追加発行を受けた場合、普通カード初年度年会費免除の対象外なのでJALカードSuicaの初年度会費(2,100円)は免除されません。2枚保有するとしても2枚分の年会費(4,200円)が1年目からかかってきます。既存のJALカードを解約して、JALカードSuica1枚にまとめることもできますが、失う物の方が大きくお勧めできません。特にお持ちのJALカードがCLUB-Aゴールドやダイナースクラブならば絶対に解約しないように!!

また、既に『ビュー・スイカJCBカード』をお持ちであってもJALカードSuicaの申し込みはやはり新規扱いとなり、ビューサンクスポイントは引き継がれますが、与信枠、Suica電子マネーの残高は引き継がれません。

《JGC会員でも…》
『JALグローバルクラブカードSuica』にもできないことはありませんが、CLUB-AのみでCLUB-Aゴールドにはできません。ビューカードのシステムにゴールド・プラチナ会員制度がないための措置です。

《学生さんには致命的欠点が》
また、JALカードSuicaはnavi(学生専用カード)にあるスカイメイトサービス(スカイメイトカードの代わりにJALカードを提示して普通運賃のほぼ半額で国内線に当日飛び乗りできる)が使えません。これはビューカードのシステム上、「高校に在学していない18歳以上の方」であれば社会人も学生も同格の本会員とされるためです。スカイメイトカードの発行を受けるか、学生証の常時携帯が必要です。だからと言ってnaviも同時に申し込むとJALカードSuicaの年会費(2,100円)は1年目から避けられません(上述)。

同様の理由で、家族会員カードの発行もできません。

《海外でキャッシュアドバンスができない》
JALカードSuicaはビュー・スイカJCBカードをベースにしているため、海外キャッシング機能はATMのみで利用でき、銀行窓口にパスポートとカードを提示してサインで引き出す「キャッシュアドバンス」は使えません。万が一暗証番号を忘れた場合、キャッシングの利用ができなくなります。

少なくとも、JALカードSuicaはクレジットカードの中でも一番最後の選択肢として考え、他のビュー・スイカカードを併せ持っていくにしてもVISAかMasterCard、なるべくならみずほSuica、スーパーICカードSuica《三菱UFJ-VISA》などの銀行キャッシュカード一体型にすべきです。