2007年3月22日木曜日

民営特急バスが車両火災、29人死亡

 21日12時から放送されたTITV(独立テレビ公社、旧itv)のお昼のニュースによりますと、3月20日14時30分頃、サラブリ県とナコンラチャシマ県の県境付近を走行中の特急バス車両から突然出火、車体は全焼しました。乗客乗員60人のうち32人が脱出に成功したものの、1人が搬送先の病院で死亡。残る28人は車内から脱出できず焼死しました。このバスに外国人は乗っていませんでした。

 バスはウボンラチャタニ市を朝6時に出発し、ヤソトン、ロイエット、コラート、サラブリ経由でバンコク・モーチット2へ向かっていた民間委託運行の[25]系統2等特急。現場の約15km手前でブレーキの故障を起こし、応急修理して発車した矢先、下り坂に差し掛かったところで故障が再発。乗客の緊急停車を求める声を無視して走り続けたため、車輪部分から発火。あっという間にエンジンルームに燃え移り、燃料の軽油に引火して焼失したとのことです。非常口から飛び降りる乗客もいました。

 Traveler's Supportasiaでは以前から、特急バスを利用する際はなるべく公社運行便を選択するよう呼びかけています。管理者ふくちゃんも民営便は極力利用しないようにしています。今回、重大事故を起こしたのは案の定というか何と言うか、民営便。その事実は、民営特急バスに対するリスクを増大させるという結果しか出していません。確かにツーリストバスと比べたら、荷物を荒らされる心配がない、公共バスターミナルに間違いなく着く、料金一律というメリットはあります。でも、何よりも安全が優先なのです。事故が起こってからでは遅すぎます。
 日本だったら応急修理どころか最初のブレーキ故障の時点で運転を打ち切り、後続の車に案内するのが常識。現場はサラブリ県でしたから、コラート始発の[21]がそれこそ10分間隔で飛ばしているのに、なぜドライバーは運転打ち切りを選択しなかったのか、呆れて後に続く言葉が出ません。

 この際、民営特急バス全体を対象に「十分注意してください」の安全情報を独断で出そうかとも考えました。しかし、Traveler's Supportasiaは駐在員やビジネスマンだけを相手にしたサイトではありません。読者の主力はあくまでもリスクを承知できるバックパッカー。今回の事故をどう受け止めるかは、読者の皆さんそれぞれの判断を尊重します。もちろん、管理者ふくちゃんの個人的な考えとしては公社便の利用を激しく推奨することに変わりありません。