2008年7月21日月曜日

【重要】One-Two-Goが運航停止

 タイの格安航空2位「ワントゥーゴーエアラインズ」(OG、バンコク首都圏クロントイ区)は18日、9月15日までの予定ですべてのフライトを運休すると発表し、ホームページを閉鎖しました。
 しかし、バンコクの中国語紙「世界日報」は7月21日付で、One-Two-Goが6枚つづり9,999Bt.の新型プリペイド式航空券「I-Pass」を発売すると報じました。これが事実ならば、現在運航していない、かつ運航再開の見通しが立たない便、および区間の航空券を売ることは詐欺にあたります


 ワンツーゴーは主に国際線を運航する独立資本「オリエントタイ・エアラインズ」(OX)の子会社として2003年に設立され、バンコク・ドンムアン空港をハブにチェンマイ、チェンライ、プーケットなど7都市へのフライトを毎日運航していました。
 事前の予約よりも、当日空港でチケットを購入したほうが安くなる「Go-Show Fare」や、セブンイレブンなどで販売されるプリペイド式航空券「Ticket Two-Go」といった奇抜な運賃政策で勢力を拡大しました。
 2006年9月、スワンナプン空港開港と同時に移転しますが、2007年3月、再度ドンムアンに戻りました(前記事「ドンムアン空港、国内線専用で復活」参照)

 2007年9月16日に、プーケット空港でドンムアンから到着予定だったOG269便が着陸に失敗して大破炎上し、乗客・乗員90人を死亡させる事故を起こして信用が失墜。この事故で、日本人搭乗者がいなかったことが、One-Two-Goの知名度の低さを決定付けました。日本からのツアー客が国内線を利用する場合、スワンナプン空港での乗り継ぎが便利なタイ国際航空(TG)か、サムイ線を独占してきたバンコクエアウェイズ(PG)を利用するといい、格安航空利用でもタイエアアジア(FD)がほとんど。One-Two-Goを利用するツアーはまずないそうです。
 そこでOne-Two-Goはプーケット線を減便し、タイ人ビジネス客取り込みを狙ってチェンマイ線を増発しました。しかし、国際線への乗継ができないドンムアン空港発着がネックとなって伸び悩みます。そこへ原油高が襲い、売り上げの大半を占める「Ticket Two-Go」によって利益が伸びないという事態になります。会社側では収益改善のため、7月22日から9月15日までの約2ヶ月間、すべてのフライトを運休するという荒療治に打って出ました。

 One-Two-GoはIATA(国際航空運送協会)に加盟していないため、お手持ちの予約を他社に振り替えることはできませんが、予約をお持ちの方、および「Ticket Two-Go」を既に購入されている方については、払い戻しで対応するとのことです。予約センター(局番なしの1126)に問い合わせるか、One-Two-Go本社(BTSスクンビット線アソーク駅東口、MRTブルーラインスクンビット駅いずれも徒歩5分)を訪れてください。

(7月22日追加)

 運輸省はOne-Two-Goが国の定める安全基準を満たしていないとして、同社が発表していた9月15日までの運休期間のうち、8月21日までの30日間については行政処分で運航を差し止めると通告しました。8月21日までに改善が見られなければ、差し止め期間延長または営業免許剥奪の追加処分が用意されており、会社の存続は事実上不可能になります。