2009年4月29日水曜日

浦上容疑者、逃走8ヶ月の末に…

 「外こもりのススメ」著者の安田誠(本名:棚橋貴秀)さんが行方不明になり、他殺体で発見された事件(前記事「安田誠氏殺される」参照)で、逃走を続けていた浦上剛志(うらがみつよし)容疑者(30歳、大阪府出身)が、別の事件で東京・警視庁に逮捕されていたことが明らかになりました。


 棚橋事件では、共犯とされた森宏年(もりひろとし)被告が早々に容疑を認め、1審公判に臨んでいる最中(前記事「棚橋事件、森被告近く追起訴へ」参照)。一方、浦上容疑者は棚橋事件直後の昨年8月6日に帰国した後、一度は大阪・高槻警察署に出頭して取り調べを受けますが、この時は逮捕に至らないまま行方をくらましてしまいます。
 森被告の逮捕後、供述を元に改めて指名手配をかけ、行方を追っていたところ、浦上容疑者は東京都内のネット屋からアンダーグラウンドサイトに「銀行口座を買い取ります」と書き込んできます。これを警視庁組織犯罪対策部の捜査員が見つけ、犯罪収益移転防止法違反(預金口座の売買にかかる意思表示)の容疑で岐阜だけでなく、東京からも指名手配がかかる事態になりました。

 4月21日(火)、浦上容疑者は東京都板橋区のホテルに潜伏していたところを警視庁の捜査員に見つかり、逮捕に応じます。しかし、逮捕直後には偽名を名乗りますこのため指紋鑑定を行った結果、浦上容疑者と判明。警視庁から岐阜県警察刑事部と山県警察署特別捜査本部に連絡が行き、最終的に本人も偽名を使ったと認めました。
 浦上容疑者は犯罪収益移転防止法違反の取り調べが終わり次第、連休明けにも岐阜へ移送される予定。棚橋事件について、窃盗や死体遺棄といった核心ともいえる容疑での取り調べに臨みます。
 棚橋事件では、前記事「安田氏殺害、日本法で処理か」で強盗殺人罪に問われる可能性も示唆しました。これが成立するなら、浦上容疑者は主犯として極めて厳しい量刑を受ける可能性が非常に高くなります。

 Traveler's Supportasiaでは、棚橋事件発生の直後から殺人事件と事実上断定する論陣を張り、読者の皆さんとともに事件解決を願ってきました。今回の浦上容疑者の逮捕で事件は大きな区切りを迎えます。引き続き捜査の進展に注目するとともに、判決確定まで事件を追いかけていきます。

(この項、アンポンタン・ポカンさん/東京都 からの投稿です)
 浦上容疑者が都内に潜伏していたことは、岐阜県警察も把握していたようです。
 捜査関係者から聞いた話によりますと、浦上容疑者は帰国後、日本国内用のプリペイド式携帯電話を購入します。そのときに、身分証明書として国民健康保険証を提示しますが、これが他人名義。しかも、その携帯電話でタイにいる彼女の携帯電話へ発信したことから、通話記録解析で所在が明らかになったそうです。