2009年7月24日金曜日

日本のネット屋難民よ、目指すのは「道」か?

ホームレスの自立を支援する総合雑誌「ビッグイシュー日本版」の版元、有限会社ビッグイシュー日本(大阪市北区)が、最近、大きな悩みを抱えています。ベンダー(販売員)を志望してくるホームレスの6割が49歳以下で、中には20台の応募者も見られるというのです。日本経済新聞が23日付夕刊で報じたものです。

(画像1:突然のスコールもしのげず、雨風に打たれるしかないタイのホームレス。日本人である以上、こうはなりたくない)


20代から30代の応募者は、多くがネット屋難民や派遣社員からの転向と見られています。日本では、ホームレスとネット屋難民、ニートは、厳密な意味で区別されています

ネット屋難民は家がないだけで、働く場所はあるか、またはネット屋のパソコンからたやすく探すことができる。即ち、最低でも自分が置かれた環境を維持していくだけのお金はあるし、雨風をしのぐ場所もあるという解釈になります。ニートにも、親なり兄弟という、支援してくれる家族がいるから、衣食住には困らない。ホームレスには、それすらもないという訳です。

何よりも、ネット屋難民はホームレスに比べればたやすく働くことができるし、場所探しも、インターネットが使えるというデジタルディバイド(情報格差)の面で圧倒的に有利。最悪の場合には、TOKYOチャレンジネットに駆け込んで家を確保するという逆転技もできないことはない(前記事「外こもりはTOKYOチャレンジネットに救われない」参照)。にもかかわらず、それでもホームレスの道を目指すんですか?

ホームレスは1度入ってしまうと抜け出せなくなります東京や横浜でホームレスになった人の半分以上が、社会に復帰できずに生涯を終えていくというデータもあります。事実、ホームレスからまともに再就職できたという事例は極めて稀。普通ならば、あっても日雇労働ぐらいでしょう。「ホームレス中学生」(麒麟・田村裕著。ワニブックス、1,365円)のような急展開が、誰でも簡単に、しかも同じように起こるなんて、あり得ません。

それに、今までの日本ならコンビニで消費期限切れとして捨てられていた弁当にありついて食いつなぐことができましたが、それすらも許されなくなる市場原理主義格差社会の完成が、すぐそこまで迫ってきています(前記事「自由採食が成り立たないなら外へ出ろ」参照)

(画像2:前記事より。毛布1枚で寒さを凌ぐ日本のホームレス)

董事長ふくちゃんも、日本とタイの両方でホームレスの生活を見てきました(探偵ファイルのこちらの記事参照)が、実際のところ、ホームレスの世界に入るのはもう2度とご免です

ビッグイシューのベンダーを目指す前に、海外に出て頑張ってみようという気持ちになってみませんか? 20万円でも30万円でも貯めてタイに来れば、1ヶ月1万円程度の家賃で借りられるアパートはいくらでもありますし、仕事もそれなりに探せます。何よりも、生活してみて初めて身につく英語とタイ語の実戦力は、後々の人生に生きてくるはずです。