2009年8月3日月曜日

棚橋事件、強殺成立へ!!

昨年8月、バンコク・ディンデン区のアパートからフリーライター・安田誠さん(本名:棚橋貴秀。当時33歳、岐阜県出身)が姿を消し、その後遺体で発見された事件(前記事「安田誠氏殺される」参照)。事件発生から1年の節目を目前に、捜査は最終段階を迎えました。
岐阜県警察刑事部捜査1課と山県警察署特別捜査本部では、既に窃盗や詐欺などの容疑で逮捕されている浦上剛志被告(31歳、大阪府出身)と、森宏年被告(31歳、愛知県出身。1審で懲役3年の実刑判決を受け、控訴中)を、早ければ明日にも強盗殺人容疑で再逮捕する方針を固めた模様です。


Traveler's Supportasiaでは、事件発生直後から安田さんは事件に巻き込まれて殺害された、即ち殺人事件と事実上断定する論陣を張りました。前記事「安田氏殺害、日本法で処理か」では、

「もし日本で罪名が成立するなら、「殺人」ではなく「強盗殺人」になる」

と書いて、いち早く強盗殺人罪の可能性を指摘していました。その後も前記事「森被告近く追起訴へ」や、「浦上被告、容疑認める!?」などで数々の指摘を行ってきたのは、読者の皆さんにもご理解いただけたと思います。

岐阜県警察では、浦上被告が容疑を認める供述をし始めた直後、強盗殺人容疑の立件に向けて捜査員をバンコクに派遣しました。捜査員は安田さんの捜索願が出されていたディンデン警察署(ディンデン区)と、首都圏警察本部(デュシット区)、国家警察本部(パトゥムワン区)を回り、タイ国内で両被告に出された逮捕状の内容と、それにつながる捜査資料の検証を進めていました。

(画像:タイ国家警察本部。岐阜県警察の捜査員はここを訪れ、捜査に取り組んだ)

その結果、2人が事件にかかわった可能性が極めて高く、強盗殺人容疑の国外犯(刑法3条1項)で立件可能と最終判断。一周忌に当たる5日までに安田さんの墓前へ報告するべく、再逮捕のための逮捕状を岐阜地方裁判所本所(岐阜市)に請求した模様です。

今回、Traveler's Supportasiaの指摘通りに捜査が進んだのは奇跡と言ってもいいでしょう。逆に言えば、弊誌Traveler's Supportasiaの完全勝利と言ってもいい。岐阜県警察刑事部の見事な動き、賛嘆に値します。
タイで日本人が関わった事件がこのような形で完全解決するのは極めて稀。大手報道機関も動きましたが、大手が報道できないところを個人が深く突くという、ブログジャーナリズムの大きな可能性を董事長ふくちゃんは肌で感じました。
Traveler's Supportasiaを信頼してご愛読頂いている読者の皆さんの負託に応えるため、董事長ふくちゃん以下董事会、顧問団メンバーはこれからも確信を持って日々の取材に邁進するつもりです。皆様のご支援をこれからもよろしくお願い申し上げます。