2009年12月11日金曜日

BTSとMRTのカード共通化が始動か?

 MRTブルーラインの運営を委託されている「バンコク・メトロ」(BMCL、ホイクワン区)は、これまで発売していた全線定期券の発売を来年2月までにすべて取りやめます。この背景には、首都圏政庁が中心となって進められているBTSとMRTの乗車カード共通化があるとみられており、首都圏政庁では来年中にも共通使用を開始したい意向です。

 30日パス(1,000Bt.)は、当初1,100Bt.に値上げして販売を継続するとBMCLから発表がありましたが、その後11月30日限りで発売終了になってしまいました。現在は15日パス(600Bt.)が各駅で発売されていますが、それも2010年2月28日限りで終了します。
 15日パスの発売が終了した後について、8日に行われたBTS開通10周年記念パーティの席上、BTS社の幹部から「来年中にBTSとMRTの共通カードを実現」という発言がなされたと、バンコクの中国語紙「世界日報」が報じました。


 具体的には、BTS側の「アダルトスマートパス」「スチューデントパス」をベースにした形式を、MRTが導入するという見方が有力です。
 MRTの30日パスは期間中の乗車回数に制限がありませんが、有効期限が切れると買い直し。このためMRT各駅には使い終わったカードを回収するための箱も用意されています。一方でBTS側のアダルトスマートパスは購入後30日間に使うと見込まれる乗車回数を購入する形式となっており、30日以内に追加購入(チャージ)すればその分、有効期限が延びます。
 BTSのアダルトスマートパスとMRTのパスはどちらも日本のソニーが開発した非接触カードシステム「Felica」をベースにしており、11月には「おさいふケータイ」の実用化試験も行われました。

 Felicaベースのカードは香港ではオクトパスカード、シンガポールでもezlinkのブランド名で市民の生活に浸透しています。パーティに出席したスクンパン・ボリパット首都圏政庁長官は、「将来的には運河ボートやバスにも拡大していきたい」と述べ、オクトパスやezlinkを模範にして発展させる構想を明らかにしました。