2010年3月22日月曜日

ミニバス一掃から1ヶ月、渋滞解消進む

 バンコク首都圏内を走っていた緑色のミニバスが、一斉に走行禁止処分を受けてから1ヶ月が過ぎました(前記事「政府、強硬態度でミニバス一掃」参照)。ミニバスの路線が特に集中していた一部の通りでは、長年悩まされてきた渋滞が解消するなど建設的効果が出ていますが、一方で本数が減って利便が悪くなったなどの声も聞かれています。


《旧市街の渋滞のネックが》
 チャルンクルン通りとマハチャイ通りがぶつかるサムヨット交差点(プラナコン区)は、旧市街地区有数の交通の難所でした。トンブリ方面からポックラオ橋を渡り、チャクラペット通りを上がってきた車が、ファランポーン駅方面に向けて右折していきますが、[1][4][40][56]とミニバスの多かった路線が集中していて、激しい渋滞の原因になっていました。チャクラペット通りに伸びた渋滞はポックラオ橋に流れ、やはりミニバスの多かった[82]も影響を受けるという悪循環に。平日の昼間でも、ウォンウィエンヤイ北側(トンブリ区)から[4]に乗ってチュラ大病院(パトゥムワン区)まで1時間以上かかるのもしばしばでした。
 それが、2月17日付けで一斉に旧式ミニバスが姿を消すと、ポックラオ橋まで渋滞が流れてくる回数はめっきり減りました。ウォンウィエンヤイからチュラ大病院まで30分ないし40分前後で走ることができるようになり、バスの本数減少による混雑を差し引いても、まだ納得できる状況に改善してきています。

《中心街の象徴が》
 繁華街のプラトゥナム(ラチャテーウィ区)やラチャプラソン(パトゥムワン区)を抱えるラチャプラロップ通りもミニバスの集中する通りでした。[11][14][17][74][77]と5路線。南行きに割り当てられた車線数が少ないこともあって常にミニバスで渋滞していましたが、こちらも混雑が緩和されています。中でも[14]のミニバスの運転マナーの悪さは特に酷く、セントラルワールド前で乗客が全員降りたために運転を打ち切り、危険も顧みずにUターンしようとするドライバーもいました。
 そんな個人経営のバスドライバーは全員が失職。オレンジ色の新型ミニバスは白バスと同様、法人に所属していないといけません。市民はこの機会にミニバス特有の運転の荒さが少しは良くなってくれるだろうと期待しています。

《無料運行バスの割合が下がる》
 一方、ミニバスの運行が多かった一部の路線では、本数維持のために首都圏バス公団が代替バスを運行しています。しかし、それによって無料運行バスの割合が路線全体に配車されている赤バスの50%という、政府側の基準を下回る路線が出てきました。前記事でも書きましたが、ミニバスはすべて有料で運行していたこともあり、公団も有料運行の車を優先的に配車したためです。
 4管区営業所(クロントイ区)では、チャルンクルン通りを下る主力系統[1](王宮前広場~タノントック市民病院)でミニバス代替の赤バスを増発しましたが、増発分は全て有料のため、赤バスを5台待っても無料バスに当たらない時間帯が出ています。
 5管区営業所(バンクンティエン区)は、[68][105]で余剰となった白バス車両を[82]に投入。ところがこれも有料のため、無料バスに当たりにくくなりました。ウォンウィエンヤイから王宮前広場の区間だけなら[3]があるものの、有料バスも混雑するようになりました。加えてウォンウィエンヤイまで併走する[20]もミニバスが激減したため、トンブリ南部の住民にとってはむしろ改悪だとのことです。