2010年3月17日水曜日

UDD軍過激化!?血液集めて首相府に撒く

 UDD(赤シャツ)軍は16日昼から、パンファ橋の集会会場で参加者に対して献血の呼びかけをしました。この血液は輸血に使われず、首相府(ポンプラップ区)の入口ゲートに撒かれました。アピシット・ウェチャチワ首相に対し、

「国民の血を踏みにじってまで首相の仕事を続けるつもりか」

という赤シャツ軍側の意思を示し、退陣と国会解散を強く求めていこうという意図ですが、思ったほどには集まりませんでした。

 董事長ふくちゃんは16日午後2時過ぎ、パンファ橋のメイン会場を通行しましたが、特設ステージのあるマハカン砦と対面になる損害保険会社「テウェス保険」前の救護テントに支持者の行列ができていました。これが、首相府前を血で染めようという支持者の列でした。
 しかし、全体の参加者の数は明らかに減っており、14日夜に10万人いたとされる赤シャツ軍の支持者の多くが帰宅したとみられています。直射日光の厳しい特設ステージ前を避けてテントに入る支持者が目立ちます。朝日新聞アジア総局の調べでは約5万人まで減ったといいますが、UDD系の別動組織「デーンサイアム」の関係者は既に2万人を切っていると語っており、実際にはもっと減っている可能性もあります。

 幸い、首相府の建物に血液がぶちまけられるなどの過激な行動には至らず、首相府を警備している陸軍と治安警察、それに公衆保健省の合同部隊によって洗い流されました。その後、アピシット首相が党首を務めるタイ民主党本部(パヤタイ区)でも同様の示威が行われましたが、集まった血液を車で運んだだけで、実際に行ったのは一部の幹部と随行の僧侶に限られ、デモ隊が大挙して私邸前に乗り込むという事態は回避されました。パンファ橋から民主党本部までは車で約8kmあり、15日の陸軍省本省(ラクシー区)への進撃と同じことをやられたら、いくらデモ隊が車を使って乗り込んでるからと言ってもとても堪ったものではありません。

 UDD軍からは、今日17日の朝9時から、アピシット首相の私邸(スクンビット通りソイ31=ワッタナ区)の玄関で同様のパフォーマンスを行うと予告されています。しかしこれも、パンファ橋からプロンポンまでは約10kmと距離があることと、朝の通勤時間帯に一般市民に迷惑をかける事態を避けたいという理由から、デモ隊の大規模な移動はないとみられます。