2010年5月4日火曜日

コンチ塗装の「UA」なんて反則だ!!

 ユナイテッド航空(UA)とコンチネンタル航空(CO)は3日、今年末までに合併すると発表しました。ユナイテッドの持株会社「UAL」(アメリカ・イリノイ州シカゴ)がコンチを株式交換方式で吸収し、社名を「ユナイテッドコンチネンタルホールディングス」に変更。傘下の事業会社(現在のユナイテッド航空)は、両社の路線網とユナイテッドの社名、そしてコンチの象徴として長年親しまれた地球をデザインしたロゴマークを引き継ぎます。


 ユナイテッド航空の北米大陸内ハブは、大陸の北側に偏っています。これに対してコンチのハブは、ニューアークがある以外は南部やミクロネシアに偏っており、相互に補完しあえる仲だといいます。実際、日本路線だけで見ると、UAは成田や関空と北米大陸を直行便で結ぶいわゆる太平洋線が主流なのに対して、コンチは成田~ヒューストンとニューアークがある以外は、日本の主要都市とグアムを結ぶ路線しかありません。しかし、UAから見ると、コンチがグアム路線を持っている日本国内の都市は東京・名古屋・大阪の3大都市以外、UA自社便を一度も就航させたことのない都市ばかりで、ネットワークを充実させるには最適だったのです。しかも、パンナム(PA)から引き継いできた日本経由アジア各都市便の完全無制限以遠権をフルに生かしきれる可能性があり、コンチはアライアンスもスカイチームからスターアライアンスへ完全移籍。同じスカイチーム内だったノースウエスト航空(NW)を合併したデルタ航空(DL)に対抗するには、ベストパートナーだったといえます。

 会社のロゴマークは、コンチが使ってきた地球をデザインしたものに変更現UAが保有している機体の塗装も、現コンチの塗装に順次塗り替えられ、UAが長年使ってきたアルファベットのUの字をデザインしたマークは破却されます。1983年の日本就航以来、30年近くUの字のマークを見慣れてきた長年のUAファンには非常に残念な決定です。一部の狂信的なマニアからは「反則だ」との声も上がることでしょう。

将来的にはサービスレベルの統合も行われます。UAは「ユナイテッド」を冠したファースト、ビジネス、エコノミーの3クラス制を長年維持してきましたが、コンチはファーストクラスを1990年代の終わりに廃止。ビジネスファースト(スーパービジネスクラス)を世界に先駆けて導入しファンの圧倒的な支持を得てきました。ビジネスクラスの料金でファーストクラスのおもてなしをという意味で付けられたこの名前は、現UAの機材にも導入されてUAの高コスト体質解消に貢献するとみられます。
マイレージプログラムも、UAのマイレージプラスとコンチのワンパスが統合されます。ただし、マイレージプラスとワンパスではその規模は格段に違うので、実際はマイレージプラス主導で進むことになると見ています。デルタとノースウエストの合併のときも、NWのワールドパークスを消滅させてスカイマイルに一本化しましたが、両社の規模的に十分あり得るものです。

ただ、バンコク・スワンナプーム空港とシンガポール・チャンギ空港には現コンチの自社便は就航していないため、東南アジアでは大きな影響はありません。アジアから日本経由のUA格安航空券で飛べる都市にヒューストンとグアムが追加される程度です。