2010年7月3日土曜日

海外での「当座貸越」が不可能に

三菱東京UFJ銀行(東京都千代田区、全国銀行協会加盟)は、6月13日から旧東京三菱銀行時代に発行していた「インターナショナルカード」と、旧UFJ銀行、三和銀行から引き継いだ「オールワンカード」(前記事「オールワンのインターナショナル機能が消える」参照)の海外預金引き出し機能を一部見直しました。出資法(1954=昭和29年法律195号)、貸金業法(1983=昭和58年法律32号)改正の一環によるもので、法律よりも厳しくなっています。


従来は、総合口座定期預金がセットされていた場合は普通預金の残高に加え、定期預金の残高の90%、国債残高の80%相当額までの当座貸越(自動融資)が、海外でも利用できるようになっていました。改定では、これが利用できなくなり、普通預金の残高がプラスになっていないと引き出し不可能になってしまいます。日本で働いて得た資金を総合口座定期預金にし、当座貸越機能で引き出してきた長期のバックパッカーなどは、海外での預金引き出しができなくなり、最悪の場合、今後の旅行継続にも支障が出る可能性が出てくる計算です。

代替としては『スーパーICカード《三菱東京UFJ-VISA》』が考えられますが、もし切り替えようとすると、スーパーICカードとインターナショナルカードの共存はできないので、インターナショナルカードを解約する必要がありますこれは有効期限が定められていないインターナショナルカードの持ち主にとっては決定的に不利です。インターナショナルカードはそのままにして、クレジット専用の「ICクレジットカード《三菱東京UFJ-VISA》」を持つのがもっとも妥当な選択肢でしょう。

旧東京三菱銀行時代にはカードローン兼用のマイカードインターナショナルも少数発行されていましたが、こちらも海外のATMで直接マイカードの口座から借り入れることができなくなります。しかしここで「ICクレジットカード《三菱東京UFJ-VISA》」を持とうと考えるのはちょっと早いです。マイカードインターナショナルは普通預金カードとしては従来通り、残高の範囲内で下ろすことができるので、三菱東京UFJダイレクトにログインして、マイカード口座の借り入れ可能額を普通預金口座へ振り替えてからATMで下ろせば海外でも新規借り入れができないことはありません。もしここでICクレジットカード《三菱東京UFJ-VISA》を申し込むと、ローンに使用できるカードを1人で2枚以上持てないという規定に引っかかり、マイカードインターナショナルは差し替えられてしまいます。

また、手数料も「3%+210円」から、「5%+105円」に改定されました。