2010年8月25日水曜日

岡田外相がカオサンを訪問

外務大臣・岡田克也(民主党、衆院三重3区)が23日朝、カオサンに現れました。インドとタイを訪問した岡田外相は、スワンナプーム空港に到着後、アピシット首相、カシット外相と会談するため首相府へ向かう途中、カオサンに立ち寄ったもの。4月のUDD軍カオサン決戦(前記事「カオサン入口で戦闘」参照)で故・村本博之氏 (享年43歳、日本トムソンロイター・マーケッツ所属)が殉死した現場を視察するためです。

(画像1:宝くじ庁別館の建物についた銃弾の痕。4月11日撮影)
カオサン決戦から4ヶ月が過ぎましたが、アピシット首相が約束していた村本氏殉死事件の真相解明はまだ果たされていません。5月の最終決戦でラチャプラソ ン交差点の演壇に登り、逮捕されていた白人2人も先日釈放されており、日本外務省は、村本氏殉死事件を改めて引き合いに出さないとこのまま風化する恐れもあると判断。岡田外相が原子力協定交渉開始のためインドを訪問するのに合わせ、復路にタイを経由して日タイ関係を話し合う中で、議題に挙げることになりました。

岡田外相は、午前9時過ぎに民主記念塔北側、ディンソ通りに面した学校前に車をつけさせると、随行した在バンコク日本大使館邦人保護部スタッフの説明に続き、持参した花束を現場に捧げ、黙祷しました。カオサン周辺に宿泊している旅行者は多くがまだ動き出す前の時間で、事前にニュースなどで知らされていなかったこともあって、見物する日本人旅行者はほとんどいませんでした。

(画像2:献花し黙祷する岡田外相。外務省ホームページから拝借しました)

その後首相府でアピシット首相との会談に臨んだ岡田外相は、議題の中で村本氏殉死事件を取り上げました。アピシット首相は「困難な状況もあるものの、まずは事実関係の調査をしっかりやっていく」と応え、首都圏警察と所轄のチャナソンクラーム警察署(プラナコン区)に引き続き徹底的な捜査を行うよう指示しました。