2010年12月9日木曜日

成田「経由」LAX行きに転出するA380

シンガポール航空(SQ=SIA)は2011年3月からの夏スケジュールでシンガポール~ロサンゼルス線にエアバス380を投入することを発表したと、ロイター通信がシンガポール発で報じました。しかし諸般の事情で、直行便ではなく現在B744を使用している成田経由便に適用されるといいます。

《2011年3月27日から有効》
 SQ012 SIN0925~1730NRT1915~LAX1330 DAILY
 SQ011 LAX1545~1915+1NRT2015+1~SIN0310+2 DAILY

(機材はエアバス380 SIAスイート=スーパーファーストクラス12席、SIAビジネス=ビジネスクラス60席、エコノミークラス399席)


SIAはロサンゼルス線で直行便と経由便を運航していますが、直行便は機材の性能の関係でエアバス345か、ボーイング機材ならB772LRを使わないと就航できず、しかもSIAはB772LRを持っていません。またこの路線では経由便のみの時代からファーストクラス、ビジネスクラスの方が早く埋まってきたという特殊な事情もあって、直行便用の機材であるA345に当初設けられていたプレミアムエコノミーを廃止して現在は全席ビジネスクラスで運航しています。

SQ038 SIN1630~LAX1600 DAILY
SQ037 LAX2000~SIN0610+2 DAILY

(機材はエアバス345 SIAビジネス=ビジネスクラスのみ100席)

成田経由便に使用しているB744は、どれも1990年代前半の納機。全機が機齢15年を上回っていますが、機体の使用年数が比較的短いSIAでは極めて異例なことです。2007年からB773ERやエアバス380の納機を受けているSIAは、B744とB772初期型の退役を順次進めていますが、需要の旺盛な路線では大型機でないと対応できないケースがあり、エアバス380の納機が遅れたこともあってその分B744の使用が延長されてきました。

SIAでは需要が特に旺盛で空港側の対応も早かったオーストラリアや欧州の路線を中心にエアバス380を投入し、日本へも2008年から運航していますが、アメリカへの毎日運航を行っても余裕のある機体数が揃う来年春から、成田経由アメリカ便のB744を代替することにしたものです。

SQ011の成田発が従来よりも1時間遅くなり、チャンギを朝に発つASEAN域内諸都市行きフライトへの接続時間が短縮されます。しかし東京を夜に発って翌朝そのまま接続という意味では、羽田発のSQ633の方が出発時間が遅く、その分チャンギ空港での接続時間も短くなっています(前記事「SIA、羽田~シンガポール線の時刻を発表」参照)

同時に、現在エアバス380で運航している成田止まり便の機材をエアバス333に変更して、提供座席数は現在とほぼ同等に調整します。

《シンガポール発2011年3月26日、成田発3月27日から有効》
SQ638 SIN2355~NRT0800 DAILY
SQ637 NRT1130~SIN1800 DAILY

(機材はエアバス333 SIAビジネス=ビジネスクラス30席、エコノミークラス255席)