2011年10月30日日曜日

【映像あり】王宮前広場西側、浸水

 10月29日(土)の朝、チャオプラヤ川は今月最大級の満潮を迎えました。前記事「首都圏中心部にも浸水の危険」で取り上げた王宮やタマサート大学のそばのマハラート通り(プラナコン区)では、タープラチャン桟橋やその隣のマハラート桟橋から溢れた水が、道路伝いに王宮前広場西側のナープラタート通りまで達してしまいました。しかし、水の深さは20cm程に留まり、マハラート通りを通行しているバスもナープラタート通りへの迂回で済んでいます。

(画像1:[53]の車内から王宮前広場西側の浸水状況を見る。10月29日午後6時撮影)


 マハラート通りから北に約1km行ったサンティチャイプラカン公園(プラスメン砦)では、隣のASTVプーチャッカーン別館から道路に溢れた水があるものの軽微に終わっており、公園自体は小高く作ってあることもあって水面に近い部分が浸水しているだけでほとんど影響はありません。

(画像2:サンティチャイ公園前のプラアティット通りは最小限の水量に留まる)

 バンコク首都圏中心部における洪水の被害はチャオプラヤ川沿いのごく一部にとどまっていますが、その中で最も状況が悪いのがマハラート通りから北に約2km行ったサムセン通りソイ5で、ソイ全体が川と化しています。ここには日本人外こもりすとに古くから知られるアパート「MNレジデンス」がありますが、現時点でアパートが孤立する事態にはなっていません。しかし、これはあくまでも例外中の例外だといえます。

(画像3:サムセンソイ5のパクソイから川の方向を望む)



 インラック・チナワット首相は29日朝8時30分から国営NBTテレビで放送された定例演説の中で、

「アユタヤ・パトゥムタニ両県では水が引いている地域がある。バンコク首都圏内でも早ければ11月上旬にも水が引き始める」

と述べました。バンコクの空模様は既に雨期明けの様相を呈しており、カオサン通りやシーロム通り、スクンビットといった中心商業地区への被害は回避できる可能性が高くなってきました。