2012年2月13日月曜日

南海電車が片道無料!「好きっぷ」で徳島へ

 南海電鉄(大阪市、東証1部上場)と完全子会社の南海フェリー(和歌山市)は連携して、和歌山~徳島間のフェリー乗船券と電車の片道乗車券をセットにした「好きっぷ2000」を発売しました。これを使えば、南海電車の主要駅から和歌山港駅までの片道の電車運賃が実質無料になり、関西国際空港や大阪市内から徳島県方面へ移動するビジネスマンや外国人旅行者の便宜が計られます。

 南海フェリーでは南海電車との連絡運輸を古くから行い、南海電車各駅の自動券売機で通し切符を購入することができる他、2000年前後には近畿日本鉄道や名古屋鉄道との共同企画商品「ワイド33SUNフリーきっぷ」にも南海フェリーが組み込まれていました。往復であれば徳島とくとくきっぷという割引チケットが既に発売されていますが、今回の「好きっぷ」はこれを片道にも拡大した形。関西空港から大阪市内へ向かう飛行機利用者のために特急ラピートの指定席と大阪市交通局の1日乗車券をセットした片道割引商品「大阪出張きっぷ」(前記事「大阪出張きっぷで快適に大阪市内へ」参照)が一定の成功を収めている南海は、高速バスへと主流がシフトしつつある関空~徳島間の流動でフェリーを引き続き重視すべく、「出張きっぷ」のノウハウを導入したと言えます。

 「好きっぷ2000」はその商品名の通り、フェリーの2等正規運賃に相当する2,000円で発売されます。即ち、フェリーの運賃だけ払えば、和歌山港駅までの南海電車の運賃が無料になるという計算です。
 関西空港から徳島方面へは、同じ南海グループの徳島バス(徳島市)と関西空港交通(大阪府泉佐野市)が高速バスを設定していますが、阪神高速道路湾岸線から明石海峡大橋、大鳴門橋経由で運転されるため所要約3時間、運賃は4,000円かかります。これに対し、「好きっぷ」を使えばフェリーの所要時間が2時間であることを考慮しても、ほぼ同等か若干の所要時間増加で済みます。

関西空港泉佐野着泉佐野発和歌山港着和歌山港発徳島港着
7:247:337:37 急行8:148:3010:35
9:279:369:40 特急サザン10:1310:4012:50
12:2412:3312:45 特急サザン13:1813:4015:50
15:2215:3115:45 特急サザン16:1816:3018:35
17:5318:0218:12 特急サザン18:5219:1021:20
20:2620:3520:44 特急サザン21:1821:3523:45

 関空に朝6時過ぎに到着するバンコクからのタイ国際航空便(TG622)を使って、うまくイミグレと税関を抜けることができれば、「好きっぷ」を購入して7時24分の空港急行で乗り換え地点の泉佐野駅へ。徳島港から昼前に徳島市内へ入ることができます。