2012年3月8日木曜日

大阪地下鉄が片道90円「関空ちかトクきっぷ」登場

大阪市交通局と南海電鉄(大阪市、東証1部上場)は、4月1日から従来の「大阪出張きっぷ」に加えて、地下鉄区間を1片道分だけとした「関空ちかトクきっぷ」を発売すると発表しました。

大阪出張きっぷでは、市営交通部分が1日乗車券で、南海電車部分も空港特急「ラピート」のレギュラーシートとなるため、なんば到着後に大阪市内で複数回の移動があるか、地下鉄利用後さらに市バスへの乗り継ぎがあるか、またはなんばまでラピートを利用するかしないと割高になってしまう欠点がありました。関空ちかトクきっぷは、南海関西空港駅の自動券売機で以前から発売されていた連絡乗車券を改良した形で、南海部分は空港急行利用(ラピートは別に特急券の購入が必要)、市営交通部分は難波駅から地下鉄・ニュートラムの任意の駅までの1片道のみ(市バスへの乗り継ぎは不可)とすることで、発売金額を980円に抑え込みました。

南海電車で、関西空港からなんばまでは片道890円ですので、難波駅から地下鉄・ニュートラムへ乗り換えるお客様は、地下鉄区間がどこまで行っても片道90円で利用できる計算になります。例えば淀屋橋駅から京阪電車に乗り換える場合や、梅田駅でJRアーバンネットワーク各線、阪急宝塚線・京都線、新大阪駅から新幹線に乗り継ぐときなどにその威力を発揮します。JRの関空快速で、大阪駅までは1,160円ですが、関空ちかトクきっぷでは乗り換え1回こそあるものの980円で、180円の差が出ます。新大阪駅ならJR線が1,320円なので、340円も違ってきます。
また、近鉄けいはんな線の各駅へは、関空ちかトクきっぷを購入して地下鉄中央線本町駅経由で直通する方が、難波駅から並行して走る近鉄奈良線、さらに近鉄バスに乗り換えるより安くなります。この場合は、長田駅(大阪府東大阪市)から先の近鉄区間の運賃を現金で精算する必要があります。例えば長田駅の隣の荒本駅の場合、980円+190円(近鉄区間)で1,170円。難波で近鉄奈良線に乗り換えて若江岩田駅まで行き、荒本駅前を経由する近鉄バスに乗り換えると、890円+290円+220円=1,400円と、230円の差がつきます。

市営交通では、南海との乗り換えができる難波駅と天下茶屋駅を除くすべての駅で、従来の連絡乗車券に代えて発売。南海では、商品の特性上関西空港駅のみの発売とします。関東のPASMOと違い、レインボーカード、コンパスカードなどのスルッとKANSAI互換カードを利用しているお客様は、事前に自動券売機で切符に引き換える必要があります。JR西日本のICOCAや、PiTaPa互換の「Minapita」「OSAKA PiTaPa」は、南海電鉄、大阪市営地下鉄とも自動改札機か現金チャージ機での利用が原則で自動券売機での引き換えには使用できません。