2012年3月3日土曜日

チャンギ空港LCCターミナル、閉鎖へ

 シンガポール・チャンギ空港を運営する「チャンギエアポートグループ」(SGX上場)は2日、格安航空会社専用として2006年から運用していた「バジェットターミナル」を9月限りで閉鎖すると発表しました。建物は取り壊され、今後5~6年をかけて新たなターミナルビルを建設する予定です。

 バジェットターミナルはシンガポール航空(SQ)が格安子会社としてタイガーエアウェイズ(TR)を設立した直後に構想が明らかになりました。2006年3月の完成と同時にタイガーが入居し、同社のハブとなった他、セブパシフィック(5J、フィリピン国籍)も利用。セレター空港の民間利用が終了するのと同時に、最後まで同空港に残っていたベルジャヤ航空(J8、マレーシア国籍)もバジェットターミナルに移動してきました。
 一方で、クアラルンプール・KLIA空港をハブにするAirAsiaグループはKL~シンガポール線に残っていた参入障壁(前記事「エアアジア、KL~シンガポール線運航へ」参照)の関係に加え、近接するセナイ空港(マレーシア・ジョホールバル)を第2のハブとして国内線を運航していることもありAirAsia本体(AK)での乗り入れがなかなか認められず、先にバンコク線を就航させたタイエアアジア(FD)が第1ターミナルを使用したのをきっかけに本体とインドネシアエアアジア(QZ)も集約する形となってバジェットターミナルを使わないことが確定。ジェットスターアジアエアウェイズ(3K)も、親会社のカンタス航空(QF)が使っている第1ターミナルを共用したため、タイガーの半専用拠点という形でここまで運営されてきました。

 しかし、タイガーの運航便数、搭乗者数が順調に増え、チャンギエアポートグループはこのままいけば近い将来バジェットターミナルがパンクすると判断。2008年の第3ターミナル完成で余裕ができていた第2ターミナルを活用した上で、バジェットターミナルを取り壊して既存ターミナルと一体化した第4ターミナルを建設する方針を固めました。

 バジェットターミナルは9月25日(火)6時をもって閉鎖され、タイガー、セブパシ、ベルジャヤにファイアフライ(FY、マレーシア国籍)を加えた4社が第2ターミナルに移動します。