2012年3月10日土曜日

SIAからジャンボ機が消える

 シンガポール航空(SQ=SIA)は、1990年代から主力機材として活躍してきたB744型機をこの冬スケジュール限りで全機退役させると発表しました。4月に引退記念興行として香港へ往復した後、他社へ売却される予定。B747プログラムを卒業した、SIAの第2ステージが始まります。

前身のマレーシアシンガポール航空がマレーシア航空(MH)とSIAに分かれた直後の1973年、SIAは初の自社発注新規機材としてB742を投入します。1984年には2階席を延長したB743に「BIG TOP」の愛称をつけて就役させ、1989年、現在まで使用してきたB744を「MEGATOP」(メガトップ)の愛称で初導入しました。その後、約10年に渡って新規導入を続け、最大で31機を保有した時代もありました。

しかし、SIAは自社での重整備(鉄道の全般検査に相当)が必要になる機齢12年を超える機材の保有に消極的で、B744の後継としてエアバス380とB773ERの導入を決めます。ローンチカスタマーとなったエアバス380は初号機を受領したものの、開発が遅れに遅れたためなかなかB744の全機退役に踏み切れなくなりました。2000年代前半には、SIAとしては異例の20年近い運用となった機材もあり、当初2009年に予定されていた全機退役が3年ずれ込みました。

こうしてB773ERがB744の実質後継として主力路線の欧州やオセアニアなどに飛んでおり、成田や羽田にも姿を見せています。一方で、エアバス380も紆余曲折を経ながら機数を増やしており確定発注済みの19機中既に14機の納機が完了。2000年前後に納機され最後まで残った3機のB744が来年までに重整備を迎えることもあり、この冬スケジュール終了をもってB773ERとエアバス380に正式に道を譲り、SIAのフリートから姿を消す方針が決まりました。B742の初導入から足掛け40年目で、旅客輸送を行うジャンボ機が全機退役するということになります。今後は、分離子会社のSIAカーゴが保有している貨物専用型B744FがSIAネットワークの一翼として運航を続ける予定です。

SIAは自社マイレージプログラム「クリスフライヤー」の会員に対し、シンガポール・チャンギ空港から香港・チェクラコプ空港へ往復するメモリアルフライトを行うとも通達。航空券の販売を行うとしています。

4月6日の1日限り有効
SQ747 SIN0830~HKG1315
SQ748 HKG1445~SIN1930

(機材はB744 ファーストクラス12席、SIAビジネス=ビジネスクラス50席、エコノミークラス313席)