2012年4月3日火曜日

デイリーNNAが共同通信傘下に

アジア・オセアニア主要国で日系企業向けの経済ニュース配信を手掛けるエヌ・エヌ・エー(東京都港区)は、4月1日付で共同通信(正式社名:一般社団法人共同通信社、東京都港区)のグループ企業として、新たなスタートを切りました。「時事速報ASIA」で先行していた時事通信社(東京都中央区)と並び、日本の2大通信社が揃って海外での現地企業向けビジネスに取り組むことになります。

NNAは1989年、香港で創業。1995年に日本へ「逆上陸」し、1998年には本部を東京へ移転しました。この際、投資情報サービス大手のフィスコ(東京都港区、大証JASDAQ上場)と共同通信の営利事業部門を担当するKK共同(正式社名:株式会社共同通信社、東京都港区)が出資していました。2010年には社団共同本体とニュース交換協定を交わし、関係を強化。昨年11月、フィスコとKK共同の持分すべてが社団共同に売却され、NNAは社団直轄の機関として海外事業を担当することになりました。

4月2日(月)発行のデイリーNNA紙面上で

「業務の更なる拡大のため共同通信の出資を受け入れた」

と告知し、会社のロゴにも「Kyodo News Group」の文字が追加されました。

時事通信の場合、時事速報ASIAの発行がある支局は現地法人化されていますが、共同通信では海外支局は社団共同直轄の駐在員事務所扱いです。このため、タイなどでは支局が現地企業向けに直接ニュースを配信して売り上げを立てることができませんでした。NNAが設けた各国の現地法人と共同通信の支局を一体化させることができれば、共同通信発のニュースを直接配信して売り上げにすることができるとともに、NNAが採用した現地記者が経済を担当し、共同通信から派遣された記者は政治・社会分野に特化した取材を行うことができます。

また、NNA出身の記者はデイリーNNAで担当した記事が共同通信のブランドでメディアに配信される機会が増えます。社団共同が加盟社との共同出資会社「全国新聞ネット」(東京都港区)を通じて運営している公式HP47NEWSでは、「アジア経済ニュース」のページでNNA発の記事が配信されています。

逆に現地で発行されているデイリーNNAに共同通信発の記事を掲載して経済ニュースをより充実させることも可能になります。タイ版のデイリーNNAでは、ミャンマー関連を中心に共同通信が配信した記事をそのまま掲載するケースが出てきています。