2013年10月3日木曜日

羽田~東南アジア線増便の行方は?

国土交通省は2日、2014年夏スケジュールで行われる羽田・東京国際空港(東京都大田区)の国際線発着枠増強について、日本国内キャリアへの割り当てを決定し発表しました。

(前記事「アライアンスの論理がうごめく羽田国際線発着枠」から続きます。3分割の3本目です)

今回増える16枠のうち、日本から東南アジアへの路線には合わせて全体の半分近い7枠が投入されます。このうち、ANAが5枠、日本航空は2枠を獲得します。

ANAでは、フィリピンへの1枠は先の航空協定改定で決まったマニラ(ニノイアキノ)線に使い、既存の成田~マニラ線を補完する狙いです。フィリピン航空(PR)がANAグループ入りした場合は、両社でコードシェアを組むことになります。

インドネシア行きの1枠は、ジャカルタとデンパサールのどちらになるか現時点では未定。ベトナム行きの1枠も、ハノイまたはホーチミンシティが考えられますがこれも未定。もしハノイとデンパサールに決まれば、ANAにとっては新規就航都市となります。

タイへは両社で1枠ずつ獲得しましたが、どちらもバンコク(スワンナプーム)線の増便に使い、ANA便ではタイ国際航空(TG)、日航はバンコクエアウェイズ(PG)とコードシェアを組むのが有力。しかしPGは羽田までの直行運航が可能な大型機を持っていないため、参入不可能。タイ側は1枠を持っていますが、タイ国際航空が増便しなければ、来年にも運航開始する予定のタイエアアジアXが獲得に動くことが予想されます。

シンガポールも両社で1枠ずつを獲得し、既存の羽田~チャンギ線を毎日2便に増強します。シンガポール側はシンガポール航空(SQ=SIA)とScoot(TZ)が候補となるものの、SIAは既に深夜早朝枠で毎日2便を飛ばしていることから、SIAの1便分を昼間枠に移動して空いた深夜枠でScootということも十分あり得ます。