2014年2月26日水曜日

史上初!「金銭的貢献」で獲得マイルが決まる

デルタ航空(DL=DAL アメリカ・ジョージア州アトランタ市、NYSE上場)は、マイレージプログラム『スカイマイル』の獲得マイル数を従来の搭乗区間と座席クラスによって決まる制度から、航空券の購入金額に応じて決まる制度に改めると発表しました。クレジットカードのポイントプログラムや小売店のポイントカードと同様の体系になるといい、世界の本格航空会社としては史上初の大改革となります。

日本航空(JL)やANA(NH)などでも、ブッキングクラス(国際線)や運賃種別(国内線)によって加算率を変更するなどして、個別乗客の売り上げへの貢献度合いを見る制度はありますが、区間マイルを考慮せず、全面的に売り上げへの貢献のみを評価するのは初めてLCC(格安航空会社)を含めても、AirAsia(AK)の『BIG SHOT ロイヤリティプログラム』に次ぐものです。

2015年1月1日から実施される新生スカイマイルでは、デルタ自社運航便の場合、購入金額をUSドルに換算した上で、一般会員であれば1$=5マイルのレートで換算します。例えば、東京成田~バンコク間であれば、従来は区間マイルとして片道2,868マイル、往復なら5,732マイルが付与されていましたが、改正ではバンコク発券の格安航空券ですと賞味運賃が10,900Bt.(US$340)ですので、燃油サーチャージ・空港税といった諸掛が計算の対象外と仮定すれば1往復分のeチケットで1,700マイルしか獲得できなくなる計算です。日本発の正規割引運賃『スカイペックス』では、賞味運賃で2万円台(US$200~300)の物も出ており、その場合はさらに獲得マイル数が削減されてしまいます。

ただ、還元率は上級会員になればなるほどアップし、ゴールドメダリオン(ユナイテッド航空=UAの1Pに相当)では1$=8マイル、最上級のダイヤモンドメダリオンでは1$=11マイルとなります。ゴールドメダリオンなら、バンコク発券の格安航空券でも2,720マイルとなりますが、それでも従来から比べると半分以下のマイルしか発行されない計算です。

パッケージツアー(日本では『デルタバケーション』)に使われる包括旅行割引などの非公示運賃や、デルタ航空以外のスカイチームメンバーズ各社運航便を利用した場合は、従来通り区間マイルをベースにし、航空券のブッキングクラスごとに規定された加算率を掛け合わせたマイルが獲得できます。デルタ航空自社便における非公示運賃でのマイル加算率と、改定後の特典航空券取得に必要なマイル数表は今年10月以降、デルタ航空のHPで発表するとしていますが、非公示運賃についてはその区間の最も安い公示運賃よりも少ない獲得マイル数になることが予想されます。