2014年9月30日火曜日

御嶽山噴火!カオサンパッカーが最前線に立つ

27日正午前、日本2番目の高さを誇る活火山の御嶽山(3,067m、長野県王滝村・岐阜県下呂市)が7年ぶりに噴火しました。大規模な噴火は1979年(昭和54年)以来35年ぶりで、噴石や火山灰、火山ガスなどによって多数の死者が出て、遺体を収容できない状態が続いています。

御嶽山の9合目、頂上まであと100m程の標高差のところに、山小屋『二ノ池本館』(長野県王滝村)があります。ここは、バンコク・カオサンの日本人宿『ママズゲストハウス』を知っている人なら、わかるはず。ママズの元常連で、『G-DIARY』『アジアの雑誌』などでもライターとして活動した小寺祐介さん(34歳、石川県出身)が支配人、桑原誠さん(47歳、埼玉県出身)がスタッフとして活動しています。

噴火から1日以上を経た28日午後、小寺さんはNHK-G(総合テレビ)の臨時ニュースで電話取材を受け、二ノ池本館に避難してきた登山客を無事下山させたとアピールしました。

二ノ池本館は例年よりも1カ月遅い9月末まで営業する予定だったとHPで説明していて、なおかつ火口からは硫化水素を含む火山ガスが出ているとも伝えられていたため安否が心配されていました。

「噴煙が太陽を遮り夜のように真っ暗になった」(NHKニュースでの小寺さんの証言)
「(二ノ池本館の)トイレの屋根に噴石が直撃し崩れ落ちた」(産経新聞大阪本社の取材に対しての証言)

そこで、小寺さんと桑原さんは避難してきた50人ほどの登山者を二重屋根になっている建物中央部に集めました。

「ここなら屋根が頑丈だから大丈夫。タイミングを見て下山しましょう」 (産経新聞から引用)

それから1時間後、噴石と雨の音が止むのを見て、小寺さんは決断しました。

「今しかない。噴火口からできるだけ離れよう。全員ヘルメットを着けて、一列縦隊でゆっくり進んでくれ!!」(産経新聞から引用)

近くの「石室山荘」に到着する頃には、既に100人以上の登山者がいました。

「山頂に残ってる人がいるかもしれない。桑原さん、後を頼む!」

桑原さんは石室山荘のスタッフや木曽広域消防(長野県木曽町)と密に連絡を取りながら、タイミングを計ってさらに下の田の原登山口(長野県王滝村)まで誘導して全員無事下山させ、小寺さんも追って夜8時過ぎに下山しました。

「皆さまに大変な御心配をお掛けして申し訳ありませんでした。当日、午後8時に自力で下山可能な登山者を誘導しながら無事に下山しました」(小寺さんのFacebookより引用)

小寺さん、桑原さん共に、29日昼にJR中央線木曽福島駅(長野県木曽町)から帰途に就いたとのことです。小寺さんはFacebookで

「何よりも桑原さんのおかげだ。他の人を雇ってたら多分こうはいかなかった。(桑原さんと)2人で二ノ池本館を仕切って良かったと思った瞬間だった」

と述べています。