2014年10月24日金曜日

京急・京成ダイヤ改定、地下鉄線内快特を増発

京成電鉄(千葉県市川市、東証1部上場)、京浜急行電鉄(東京都港区、東証1部上場)、東京都交通局電車部(都営地下鉄、東京都新宿区)の3社局は、11月8日(土)に毎年恒例のダイヤ改定を行います。今回は、京成線内における本線と押上線・成田スカイアクセス線方面それぞれの優等列車の接続を強化するとともに、地下鉄線内も優等運転の『エアポート快特』を増発するのが最大の注目点です。
《京成線内優等列車の接続》
京成本線経由で上野~成田空港間に1時間あたり3本設定されている特急列車は、青砥駅(東京都葛飾区)で都営浅草線・京急本線方面から来る電車に相互接続します。従来は、成田スカイアクセス線から来る『アクセス特急』が、地下鉄・京急線内エアポート快特で40分間隔。青砥始発で地下鉄線内各駅停車→京急線内快特という電車が40分間隔で、両パターン交互に20分間隔で運転してきましたが、このうち青砥始発の電車について種別を見直します(なお他に北総鉄道・京成・地下鉄線内各駅停車→京急線内快特の電車が20分間隔で運転されており、泉岳寺~羽田空港間は快特が10分間隔)。

改正後は、青砥始発の電車は押上駅(東京都墨田区)まで無停車の『快速特急』となり、地下鉄線内も各駅停車だったのを通過駅のあるエアポート快特に昇格させます。これにより、地下鉄線内ではエアポート快特が20分間隔で運転され、京成線内アクセス特急で成田空港直通か、青砥で本線特急接続という体制が取られます。

ただし、品川駅から先の京急線内は途中京急蒲田駅(東京都大田区)のみ停車の『快特』と、羽田空港国際線ターミナル駅まで止まらない『エアポート快特を交互に運転する体制を維持します。これは、現在快特となっている電車をエアポート快特に昇格させた場合、地元の大田区役所を中心に「蒲田飛ばし」との批判が再燃する可能性があるための措置です。京急は品川からエアポート快特となる電車も1日あたり3本増発すると発表しているものの、日中ではなく、エアポート快特の運転が従来なかった夕方ラッシュ後の夜間に集中させます。

《京成線内始発電車の繰り上げ》
京成は、2012年から盆暮れやゴールデンウィークなどの多客期に上野駅(東京都台東区)朝5時18分発の臨時特急電車を運転しています。しかし、成田空港を早朝に出発するジェットスタージャパン(GK=JJP)やバニラエア(JW=VNL)、春秋航空日本(IJ=SJO)といった格安航空会社(LCC)の便にはこの電車をもってしても無理で、東京駅八重洲口(東京都中央区)を午前4時台に出る京成バスの『東京シャトル』に乗る必要があります。また、成田市内のホテルに前泊した場合は始発電車が6時台になってからだったため、バスが満席など最悪の場合は空港までタクシーを飛ばすことになり逆に無駄遣いを強いる結果となっていました。そこで、京成成田駅を午前5時台に発車する電車を3本設定することにしました。従来、宗吾車両基地(千葉県成田市)から成田空港駅まで回送だった電車を営業運転するものです。

京成成田駅では、従来6時10分だった成田空港方面への始発電車が、一気に1時間以上も繰り上がって5時2分となります。 空港第二ビル駅までわずか6分で到着し、6時台前半の便でも余裕でチェックインできます。他に、5時31分と5時55分発の成田空港行き普通が設けられます。

《イブニングライナー最終繰り下げ、シティライナー事実上廃止へ》
京成上野駅を18時以降に発車する成田方面行きの有料特急は、本線経由で途中停車駅の多い『イブニングライナー』としています。今回の改正では、18時台の1本を成田スカイアクセス線経由のスカイライナーに昇格させる代わりに、上野駅23時発の最終イブニングライナーを設定します。この電車は成田空港行きで、第2ターミナル内のカプセルホテル『ナインアワーズ』などに前泊するお客様の利便を図ります。

なおこの改正で、2010年7月のスカイアクセス線開業後も日中に本線経由で運転されてきた有料特急『シティライナー』は平日ダイヤの運転を取りやめます。土曜・休日の運転は継続するものの1日2本だけで、ビジネス利用の立場からすれば事実上廃止も同然。今後は、追加料金の無い本線特急を利用することになります。

《羽田空港発最終1本前の京急鶴見停車》
京急は、羽田空港国内線ターミナル駅の最終電車を午前0時20分発の京急蒲田行きとしていますが、本線直通の最終はその1本前、0時12分発の神奈川新町行きです。この電車は川崎から特急運転のため、京急鶴見駅(横浜市鶴見区)へはもう1本前の23時59分発エアポート急行品川行きに乗らなければなりませんでした。空港リムジンバス・路線バスが運転されていない鶴見周辺への不便を解消するため、この電車をエアポート急行に格下げし、京急鶴見駅停車とします。

なお土曜・休日ダイヤでも同様の措置を取りますが、時刻が大幅に繰り上がって23時50分発となるので注意が必要です。