2014年10月31日金曜日

「昔の名前と」新メカニズムで品川直通!

JR東日本水戸支社(茨城県水戸市、東証1部上場)は、2015年3月の東北線中距離電車東京乗り入れ再開(上野東京ライン)に合わせ、常磐線のほとんどの特急列車を品川駅(東京都港区)まで乗り入れさせるとともに、列車名を変更すると発表しました。旧国鉄時代に準急・急行列車の愛称として使われていた『ときわ』を30年ぶりに復活。40代以上のオールドファンが泣いて喜ぶ名前で、羽田空港への京急エアポート快特や東海道新幹線に直接乗り継ぐことができるようになります。

国鉄水戸鉄道管理局時代の1985年(昭和60年)3月、つくば科学万博を前にしたダイヤ改正で、1955年(昭和30年)に快速列車として設定されて以来の歴史を持った急行ときわ号は廃止され、特急『ひたち』号に一本化されました。JRになってからの1989年(平成元年)3月には、新型車両651系の投入をきっかけにいわき以遠を結ぶ上野駅毎正時発の速達版を『スーパーひたち』とし、1998年(平成10年)のダイヤ改正で残った短距離運転の列車も『フレッシュひたち』と改められ、現在に至っていました。

しかし、スーパーひたちに使っていた651系、フレッシュひたち用のE653系のどちらも新造から15年以上が経ち、東日本大震災後のダイヤ改正で常磐線を去って他路線へ転用されていきました。これによりひたち号を車両の違いで2つの列車名に分ける必要はなくなりました。そこで、茨城県内で完結する短距離タイプに国鉄時代の急行の愛称だった『ときわ』を再登板させ、『ひたち』は従来のスーパーひたち号に相当する福島県乗り入れの速達列車に使う構想が持ち上がったという訳です。

そして、同じJR東日本グループのJRバス関東(東京都渋谷区)が絡んでいるとはいえ、ライバルであることに変わりない高速バス『みと号』『いわき号』が列車よりも安く東京駅に直通することを売りにしているのに対し、JR東日本は上野東京ラインを経由して品川駅まで乗り入れ、東海道新幹線や京浜急行電鉄本線に直接乗り換えができることを取り上げ、中でも羽田空港まで乗り換え1回という利便を強調します。

新生『ひたち』『ときわ』では、高崎線の『スワローあかぎ号』で行われている「スワローサービス」を進化させた新たな座席体系を導入します。最大の目玉は、国鉄時代の等級制度廃止以来続けられてきた指定席と自由席の区別をなくし、一本化された特急料金で『座席未指定』特急券を発売することです。

普通車は原則として座席指定の料金で販売し、未指定特急券を事実上の自由席として、車内の座席ごとに設けられたランプが赤のところに座ることができるとします。ランプは他に緑と黄色があり、黄色は「まもなく座席指定済みのお客様が来ます」、緑色は「座席指定済み」を意味します。なお座席未指定特急券でも、希望の列車が決まれば指定席券売機やみどりの窓口で座席の指定を受けられます。