2015年1月29日木曜日

SKY法的整理申立て!!19年目の破綻

スカイマーク(BC=SKY 東京都大田区、東証1部上場)は28日19時から行った取締役会で、民事再生法適用の申請を決定、東京地方裁判所民事部(東京都千代田区)に申し立てました。運航開始19年目で事実上の経営破綻状態に陥った形で、西久保愼一社長は責任を取って辞任、取締役も退任して会社を去りました。

SKYは昨年6月のエアバス380契約破棄問題以降、あらゆる面で迷走が続いていました。エアバス380の契約破棄によって国際線進出が不可能となったことを受け、成田国際空港発着路線は運航を続ける意味がないとして昨年10月限りで廃止しました。

確かに、SKYが持っている羽田空港発着枠(1日36便分)は2010年代になってから出てきたLCC(格安航空会社)にはない強い利権です。羽田発着便に限れば、日本航空(JL=JAL 東京都品川区、東証1部上場)、ANA(NH、東京都港区)の大手2社と互角の戦いをしているかのように見えました。

しかし、その羽田便でもエアドゥ(HD=ADO、札幌市)やソラシドエア(6J=SNA、宮崎市)、スターフライヤー(7G=SFJ 北九州市小倉南区、東証2部上場)といったANAとコードシェアをしている後発キャリアが、自社で販売する航空券ではSKYとほぼ同等レベルの運賃で勝負に出たり、2012年以降は成田空港発着のLCCが日中でも片道10,000円以下の低運賃を売りにするなど競争が多様化。日航・ANAが上級席(JAL=ファーストクラス、ANA=プレミアムクラス)を重視した戦いを打ち出すと、SKYはエアバス333を全席グリーンシート(プレミアムエコノミー、JALのクラスJに相当)で幹線に投入したものの、大手とLCCの狭間で中途半端な立場に追いやられ、苦戦を強いられていました。

東京で編集されている業界専門サイト『トラベルビジョン』は、使用しているエアバス333とB738のリース料が「米ドル建て」で計算されていることから、アベノミクス景気による円安の進行で負担が増え、重荷になったところへエアバス380の契約破棄で巨額の違約金をさらにコストの高い「ユーロ建て」で請求される可能性が出たため、一気に財務不安が加速したと指摘しました。

一度経営不安が指摘されるようになると乗客の信頼も離れていくのが日本の航空業界の常。日航が会社更生法を申し立てる前後の数年間は、有償座席利用率(ロードファクター)も下がり、極端な格安航空券が出る状況になっていました。SKYも多聞に漏れず日航と同じような状態になり、昨年12月の全社平均ロードファクターは前年同月の60.1%から5.6ポイントも落として54.5%と採算ラインを割り込むところまで来ていました。

そこでSKYはJALとのコードシェア提携に賭けますが、更生終結後数年間はJALの路線拡大に制約を設けるとしていた国土交通省とANA、自民党が反発。国交省は日航と同じく地域経済活性化支援機構(REVIC、東京都千代田区)による支援を検討しようとしますが、民主党政権時代に決められたREVICによる日航支援で自民党とANAの怒りを買った前歴があり結局断念します。ついにはANAホールディングス(東京都港区、東証1部上場)の伊藤信一郎社長が

「SKYとJALのコードシェアを白紙撤回せよ。パートナーをANAに変更した上、弊社の出資を受けてANAの軍門に下れ」

と発言するなど圧力は強まる一方でした。

読売新聞は1月9日の夕刊で

「SKYがANAホールディングスに対し、羽田発着枠に影響のない20%未満の比率で出資を要請した」

と報じ、翌10日にはANAの大株主でもある朝日新聞も同様の内容を伝えましたが、会社側は業界専門サイト『Aviation Wire』に対し

出資までもとは一度も言ってない

と否定。結局、1月15日の朝日新聞朝刊で

「ANAへの出資要請を見送り、自主再建を目指す」

と報じられました。

ところが、朝日新聞はANAが万が一の出資要請に備え、メインバンクの三井住友銀行(SMBC 東京都千代田区、全国銀行協会加盟)と子会社のSMBC日興証券(東京都中央区)にSKYの資産査定(デューデリジェンス)を依頼していたとも報じます。SMBCによる査定の結果、SKYは手持ち現預金が著しく不足していることが判明。SMBCは、ANAホールディングスに

「このままではSKYは早晩法的整理が避けられず、100%減資で損失になる恐れがある」

と報告、会社側にも

「自己破産である日突然運航停止という最悪の事態は避けなければいけない。存続させるためにも民事再生や会社更生といった法的整理を検討すべき」

と伝えていた模様です。

《運航は継続、2月以降減便も》
スカイマークでは当面の運転資金について独立系投資ファンド『インテグラル』(東京都千代田区)から支援を得るとしており、運航は継続しています。ただし、エアバス333については1月31日(土)で営業運航を終了し、2月1日(日)以降はB738のみを使用します。これから納機される予定だったエアバス3334機については、受領したとしてもSKYの路線では使わず、他の航空会社に貸し出します(サブリース)。

これにより地方路線を中心に減便が行われるほか、3月29日からの夏ダイヤでは既に予告されている複数の路線の運休を行うとしています。

2月1日以降、減便が行われるのは次の11路線です。

【新千歳空港発着】
茨城(1日2便→1便)
仙台(1日3便→2便)
神戸(1日2便→1便)

【中部セントレア発着】
那覇(1日2便→1便)

【神戸空港発着】
米子(1日2便→1便)
那覇(1日2便→1便)

【福岡空港発着】
那覇(1日4便→2便)
茨城(1日2便→1便)
仙台(1日2便→水曜日のみ1便)

【那覇空港発着】
宮古(1日3便→2便)
石垣(1日3便→2便)

このうち、仙台~新千歳と神戸~米子線は3月28日限りで運休することが既に発表されています。また、那覇~宮古・石垣線、仙台~福岡線も同じく3月28日限りで運休する方向で検討を進めていると発表しています。

2月1日以降、減便により運航されなくなる便を予約している乗客は、運航される便への変更で対応するとのことですので、予約センターに電話を入れて指示を仰いでください。

0570-051330(9:00~19:30)