2015年2月21日土曜日

「警察のブラックリスト」でクレジットカード否決もある!?

全国銀行協会(東京都千代田区)は、ヤクザなどいわゆる反社会的勢力と関わりのある人への融資をストップするため、対策を強化すると発表しました。会長を務めている平野信行・三菱東京UFJ銀行頭取が記者会見で明らかにしたもので、早ければ2016年4月から実施される予定。対策が厳格に運用された場合、ヤクザの資金で活動する一部の外こもりすとがクレジットカードの新規発行や更新を拒否される恐れがあります。

日本のクレジットカード会社各社は、法務省から出された企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に沿って規約の改正を進め、暴力団組員、準構成員(珍走団、半グレも含む)への新規のカード発行やローン組成を阻止する体制づくりを行ってきました。しかし、具体的に誰が対象になるのかを特定するのは難しく、一般新聞による暴力団関係者の逮捕記事や『実話ドキュメント』(マイウェイ出版)『実話時代』メディアボーイ)などの任侠専門雑誌をベースにした手作業での確認に頼らざるを得ませんでした。

3メガバンクや地銀、第二地銀など加盟銀行は、住宅ローンやクレジットカードの審査の際に全銀協が運営する全国銀行個人信用情報センター』(KSC)へ信用情報の照会を行います。また、警察庁も組員個人レベルにまで至る暴力団情報データベースを持っており、2011年には日本証券業協会(東京都中央区)を通じて証券会社のDBとつながり、株式市場からの反社会的勢力の追放に貢献してきました。

ところが、銀行やクレジットカード会社の情報ネットワークとは今までつながっておらす、2013年、信販大手のオリコ(正式社名:オリエントコーポレーション 東京都千代田区、東証1部上場)の自動車購入ローン(『オリコのオートローン』)でヤクザ関係者の申し込みを通したことが発覚。しかも提携ローンの形で実際は親会社のみずほ銀行(東京都千代田区、全銀協加盟)が融資を実行したために大問題となってしまいました。今回の対策は、2013年のみずほ・オリコ事件の再発防止策といえ、反社会的勢力への融資実行を審査段階で防ぐのが狙いです。

具体的には、全国銀行個人信用情報センターから預金保険機構または農水産業協同組合貯金保険機構(どちらも東京都千代田区)を経由して警察庁のDBへ照会できるルートを新たに確立します。これにより、現役の暴力団組員や準構成員、あるいは足を洗って間もない、ないしは足を洗ったことを偽装した者などからローンやカードの申し込みがあっても、警察庁DBに名前があれば無条件で審査落ちとすることができます。預金・貯金両保険機構を経由するのは、職員に国家公務員に準じる守秘義務が課されているためだと、朝日新聞が伝えています。

これにより、銀行本体が直接発行するクレジットカードは事実上、暴力団関係者への新規発行ができなくなります。キャッシュカード兼用の『スーパーICカード《三菱UFJ-VISA》』『三菱UFJ-VISAデビット』(三菱UFJ銀行)、『SMBC CARD』(三井住友銀行)、『みずほマイレージクラブ』(みずほ銀行)、『りそなVISAデビット《JMB》』(りそな銀行・埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行)では申し込みの前提となる口座開設自体ができません。日本アメックス(東京都杉並区)も、母体のアメリカン・エキスプレス・インターナショナル(ニューヨーク、NYSE上場)がアメリカ本国では以前銀行業務を行っていたこと、また提携カードに『新生アメリカンエキスプレスのカード』(新生銀行)があることなどから、KSCに加盟しています。KSCを脱退した銀行系クレジットカード会社でも、親会社の銀行を通じたり別の信用情報機関であるCIC(東京都新宿区)、日本信用情報機構(東京都千代田区)との相互交流により情報を参照できるため、審査落ちの可能性が以前に比べて高まります。

また、表向きには今後なされる新規の申し込みが対象とされているものの、実際はカードの有効期限を迎える既存会員の更新審査にも適用される可能性があります。

タイやカンボジアと言った東南アジアでは、ワシントン条約で日本への移動が禁止されている希少動物の密輸を手掛けるために常駐している暴力団関係者がいるほか、日本で破門寸前になった組員が移住し恐喝などで生計を立てているケース、また日本の風俗店で働く女性をスカウトする「ブローカー」となる組員もいます。そういうキワモノ的な外こもりすとはごく一部に限られるものの、日本でクレジットカードを作って来ている人も多く、彼らは海外での活動資金をいつどこで断たれてもおかしくはありません。