2015年3月28日土曜日

【超重要】ICAO重大懸念でノックスクート運航開始できず!!

運輸省航空運輸局(サトーン区)が、国際民間航空機関(ICAO、カナダ・モントリオール)から新規参入航空会社の認可体制を巡って重大な懸念(専門用語でSSCという)を伝えられていたことが明らかになりました。これにより、タイ国籍の航空会社はフルサービスか格安航空(LCC)かに関係なく、新規の定期便開設や増便を行うことが当分の間できなくなります。

運輸省は昨年11月、ノックエア(DD=NOK チャトチャック区、SET上場)とスクート(TZ=SCO、シンガポール)の合弁で中長距離路線を運航する新会社ノックスクート(XW=NCT、ドンムアン区)に事業開始認可(AOC)を交付しました。また、2010年以降だけでもタイエアアジアX(XJ=TAX、ドンムアン区)、タイライオンエア(SL=TLM)、ジェットアジアエアウェイズ(JF=JAA、パトゥムワン区)が定期運航に新規参入。チャーター専門キャリアも多数認可されており、アジアアトランティックエアラインズ(HB=AAQ、クロントイ区)、Uエアラインズ(YL=ULG、ドンムアン区)、Rエアラインズ(RK=RCT、ドンムアン区)などが現存します。

一方、チャーター専門で運航を開始しても、欧米で長年使われた程度の落ちる中古機を買い漁るなど整備や運航管理に問題のある会社が続出しました。古くはプーケットエア(9R=VKP)がB747クラシックを買い集め、日本防衛省が発注したイラク戦争後のクウェートに派遣される自衛官の輸送を無事完遂したにもかかわらず、整備や運航管理に問題ありとして欧州航空安全庁(EASA、ドイツ・ケルン)から域内乗り入れを禁止される『ブラックリスト』入りを言い渡され、倒産した前歴があります(前記事「乗ってはいけない!?航空会社」参照)

その後も雨後の筍のごとく新規キャリアが登場しては倒産、合併、買収ということの繰り返し。今年に入ってからも、日本へのチャーター運航経験があったビジネスエア(8B=BCC、ワッタナ区)が突然運航停止処分を受け、韓国へのチャーター便を利用した乗客が双方向共に足止めされる事態となりました。

日本国土交通省航空局(JCAB、東京都千代田区)関係者は日本経済新聞の取材に対し、

「ビジネスエアが運航停止になった直後の1月にICAOの監査が入り、AOC認可のための審査体制が不十分と判定された。タイ運輸省は改善措置を伝えたものの問題は残ったままだとして今回の指摘に至った」

と述べました。日本はICAOの長年の理事国で、情報をいち早く入手できる立場にあります。

ノックスクートはこれを受け、既に始めていたバンコク(ドンムアン)~仁川、南京(中国江蘇省)両路線の航空券販売を中止、成田国際空港(千葉県成田市)や関西国際空港(大阪府泉佐野市)へのチャーター便についても認可されている今日3月28日のフライトで一旦終了すると発表しました。

ただし、外国キャリアがタイへの路線を新規開設したり増便したりすることについては制限されません日系であればPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)が現在検討中の那覇~ドンムアン線を申請した場合、認められます。また、タイ国籍のキャリアでも指摘が発動される3月27日(金)以前に認可されていた定期運航の路線枠は維持できます。

この件について、専門Webサイトや一部ニュースサイトなどで誤報が相次いでいます。タイ運輸省がSSCを受ける可能性については、3月13日に東京で編集されている業界専門サイト『Aviation Wire』が独占スクープとして最初に報じました。その後、同じく東京で編集されている旅行者向け情報サイト『Traicy』は25日、

ノックスクート仁川線の販売中止は成田毎日2便、関空週4便の認可を得られるメドが立ったため

というとんでもない飛ばし記事を掲載しました。Aviation Wireのスクープ記事をよく読んでいれば、ICAOの指摘がいかに重い措置かということがお分かりいただけるはずで、Traicyのこの記事は飛ばしだと一発で見抜けてしまいます。

また、バンコクで編集されている『Global News Asia』は27日、タイ在住の日本人翻訳家による訳文の形で

日本の航空当局がタイに籍を置く格安航空会社の乗入れを当面禁止した」

と書きました。このニュアンスでは、タイ国際航空(TG=THA)やバンコクエアウェイズ(PG=BKP)といったフルサービスキャリアは影響を受けず、LCCないしはチャーター専門キャリアだけが日本への全路線を既存の路線も含めて直ちに廃止、撤退させられることになったという風に取れますが、実際は許認可の面で会社の上に立つべき運輸省がSSCを受ける以上、THAIやバンコクエアもその指示に従わないといけません。タイエアアジアXの成田線毎日2便、関空線毎日1便への増便は指摘以前に認可手続きが終わっているため、問題なく行われます。ジェットアジアエアウェイズの成田線週4便も引き続き運航されます。