2015年4月30日木曜日

民主記念塔そば、古き良き風情の旅社「タイワホテル」閉鎖

旧市街の民主記念塔のすぐ南にあって、古き良き時代の旅社の雰囲気を今に伝えていた安宿『タイワホテル』(Thai Wah Hotel=大華旅社、プラナコン区)が、昨年8月に閉鎖、運営会社も倒産していたことがTraveler's Supportasiaの取材で明らかになりました。
旧市街地区では2010年以降だけでもジュライロータリー(ポンプラップ区)やファランポーン駅前(パトゥムワン区)などで複数の旅社が閉鎖に追い込まれ、バックパッカーブームの頃からのドミトリー宿も日本人向けとしてはカオサンのママズゲストハウスが残る程度で今や風前の灯です。

そんな中、タイワホテルはカオサンが外国人の集まる場所となった1980年代以前からこの場所にあったとみられる安宿で、カオサンまで徒歩5分、観光名所のサオチンチャー(大ブランコ)も歩いて行けるという立地条件から1990年代前半頃までは外国人の宿泊もあったといいます。しかし、古い時代の旅社の設備のままで全くと言っていいほど改装を行わなかったことから客が離れていき、2000年前後のバックパッカーブームで安宿を求める外国人が増えるのにもついていけませんでした。2000年代中頃には、ジュライロータリーの楽宮大旅社(閉鎖済み)や三合吉旅社などと同様に、王宮前広場やラチャダムヌン通り南側などで援助交際の話をまとめたカップルがタクシーや徒歩などで来て、短時間だけ利用する、日本でいうところのラブホテルに近い形で細々と営業を続けていました。

その後、2010年のUDD軍戦乱や2013年のバンコクシャットダウンの前哨戦となる一連の反タクシン系集会などで一時的に需要が高まったことはあったものの、外国人はもちろん、タイ人にも完全に見放されたボロ宿状態に。そして、昨年の5.22クーデターで事実上命運を絶たれ、閉鎖に至ったものと思われます。