2015年9月22日火曜日

タイとミャンマー、待望のビザ免除開始

タイ、ミャンマー両国外務省は、両国の一般市民が国境を移動する際にビザの取得を課していましたが、8月11日(火)から相互に免除する措置を取りました。これにより、タイ国籍者はASEAN加盟の10カ国すべてにビザなしで移動できるようになりました。

軍事独裁当局時代は、隣国のタイやインドも含め、すべての外国人にビザ取得の必要が課され、在バンコクミャンマー大使館査証部(バンラック区)は団体申請のタイ人や本国での取得に手間のかかる外国人などで常にごった返していました。関係者によりますと、バンコクだけで1日に1,000冊近いパスポートを取り扱っているといいます。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、このビザ制度がASEAN共同体(AEC)内の自由な移動を実現するに向けての最大の障害になっているとして、レ・ルオン・ミン事務局長自らテインセイン改革政権に早急な改善を求めていました。ミャンマーとラオスの間では数年前からビザなし入国ができるものの、タイはこれまで、基本的にビザなしでの入国ができませんでした。ミャンマーからタイへの出稼ぎ労働者に発行される『テンポラリーパスポート』も、勤務先決定後に有効期間2年の特殊就労ビザ(L-A)を受ける必要があります。

今回は、テンポラリーパスポートではなく、通常のパスポートを所持する国民に対して、1回につき14日間の在留が認められる制度とします。ミャンマーの一般旅券はまだ取得者が少なく、一部富裕層に限られるので、事実上タイ側に有利な制度となります。 ただし、ビザなしでの出入国は空路に限られ、陸路での出入国には当分の間、引き続きビザが必要となります。