2017年3月4日土曜日

3枚刃のカミソリが途上国向けの主力に

P&Gジャパン(神戸市中央区)は、男性用安全髭剃り『ジレット』の主力商品だった『マッハシンスリー(MACH3)』の販売を縮小しています。日本の大型ドラッグストアではホルダー(替え刃を取り付ける本体)の在庫がなくなって、替え刃のみの販売となるところが続出。しかし日本以外では主力商品としてホルダーも販売されている国が多く、先進国向けと途上国向けでの商品戦略の違いが明らかになっています。

マッハシンスリーは、ジレットがP&Gに買収される前の1998年に発売され、日本では翌1999年に旧ジレットジャパン(横浜市中区)から発売されました。世界初の3枚刃首振り式安全カミソリとして旧ジレットが巨額の開発費をかけたと言われ、その期待通りに大ヒットした商品でした。

しかし、P&Gグループ入り後の2006年に事実上の後継となる5枚刃の高級品『フュージョン』が登場。日本など先進国では、より販売単価の高いフュージョンが主力商品の地位を得ていきました。2007年に旧ジレットはP&Gに合併、その後旧ジレットが80年代に発売した固定式2枚刃の『G2』首振り式2枚刃『アクタス』『センサーエクセル』が日本向けには廃番となり、替え刃のみの販売となりました(ただしネット通販では並行輸入の形で現在でも購入可能)

そして、2010年代も後半に入り、フュージョンの最初の製品が出て10年が過ぎようとした今、マッハシンスリーも日本での地位を徐々に下げつつあるようです。ドラッグストア大手のマツキヨ、ぱぱす薬局などを持つマツモトキヨシホールディングス(千葉県松戸市、東証1部上場)やウエルシアホールディングス(東京都千代田区、東証1部上場)ではホルダーの在庫がなくなり次第、替え刃のみの販売に移行するといいます。

ですが、タイやベトナムなど東南アジアではフュージョンはまだまだこれからの商品。街中の商店やコンビニではMACH3が主力として売られており、店によってはセンサーエクセルのホルダーも見かけます。

(画像:ベトナム・ハノイ市内の雑貨店に陳列されるMACH3)