2018年7月17日火曜日

新生キャッシュカードの海外引き出しサービス、終了へ

新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)は、2001年の新総合口座『Powerflex』発売以来続けてきたキャッシュカードによる海外での預金引き出しサービスを終了する方針を発表しました。海外での預金引き出し自体は、ブランドプリペイドカード『GAICA』で今後も利用できますが、新生キャッシュカードは12月から日本国内専用に。今後も海外でのキャッシュサービス利用を希望する方は、GAICAの申し込みが必須となります。

新生銀行は、2001年(平成13年)のパワーフレックス発売と同時に、キャッシュカードを使った出入金の制度を全面的に見直しました(前記事「新生銀行がATM手数料導入!無料にするには何が必要?」参照)。旧日本長期信用銀行の時代はキャッシュカードも当然国内専用で、利用できる場所も限られていましたが、PowerflexではVISA(アメリカ・サンフランシスコ、NYSE上場)のキャッシング専用ネットワーク『PLUS(プラス)』に対応し、海外でも銀行所定の料率を上乗せしたレートで即時に預金を引き出せるという、当時としては画期的な体系を採用。旧長銀時代には極めて少なかった個人口座数を爆発的に増やしました。

その後、2015年7月にGAICAが発売されます。当初のGAICAはその名の通り「海外での両替専用」を売りにしたブランドプリペイドカードで、VISAとPLUSのマークがあるにもかかわらず日本国内では使用できないという代物でした。しかし、Powerflexとの紐付けオプション(『Flex機能』)が付いたことにより、従来の新生キャッシュカードによる預金引き出しと同等かそれ以上のサービスを実現することが可能になりました。

GAICAには、円以外にUSドル、ユーロ、ポンド、オーストラリアドル建てでチャージをすることができ、Flex機能が付いていれば、Powerflexの外貨普通預金からもチャージができます。円建て普通預金の残高が不足していても、外貨建てのチャージがあればその金額の範囲で使い続けられます。

また、GAICAはブランドプリペイドカードですのでVISAのクレジット加盟店やネット通販などでショッピングにも利用できます。

そして、Powerflexの円普通預金口座を利用したオートチャージと毎月定額チャージの2つの機能が追加されたことによって、新生キャッシュカードによる預金引き出し機能を終了できる体制が整いました。

12月8日(土)日本時間24時限りで、新生キャッシュカードによる海外での預金引き出しはできなくなります。その前段階として、PLUSマークの付いた新生キャッシュカードの発行を10月19日(金)で終了とします。10月20日以降に発行されるカードには、PLUSマークが付かず国内専用となりますので、12月以降も海外での預金引き出しをするには、遅くとも11月中にGAICAを申し込んで発行を受ける必要があります。

(この項、小堀晋一さん/ワッタナ区 からの投稿です)
GAICAの申し込みページを見てみたところ、マイナンバー(日本の個人番号)の提供が必須となっていました。原則としてマイナンバーカード(タイの国民IDカードに相当)か通知カードをスキャンしてアップしなければならず、マイナンバーカードがなくても申し込みはできるが一部機能に制限があるとのこと。つまり、マイナンバーを提供できない一部の顧客を締め出すのが今回のサービス改正の真の狙いではないのかと、当方は考えます。