2018年8月11日土曜日

AirAsiaX成田~ジャカルタ線わずか5カ月で見切る!

インドネシアエアアジアX(XT=INX、ジャカルタ)は、5月から運航を始めたばかりの成田~ジャカルタ(スカルノハッタ)線を9月末で廃止すると発表しました。インドネシアと日本を結ぶもう一つの路線である成田~デンパサール線と違い、わずか5カ月で見切りをつけた背景には、何があったのでしょうか。

《ジャカルタ発9月29日、成田発9月30日のフライトをもって取りやめ》
XT407 CGK2350~NRT0910+1 DAILY
XT408 NRT1130~CGK1720 DAILY

(機材はエアバス333 プレミアムフラットベッド=ビジネスクラス12席、レギュラーシート=エコノミークラス365席)

日本とインドネシアを結ぶ航空便の利用傾向として、日本人観光客は最大の観光地バリ島にあるデンパサール(グラライ空港)への直行便を利用するのが主流で、世界遺産ボロブドゥール寺院遺跡群(ジョグジャカルタ特別州)に行ったとしても、デンパサール経由で帰国するパッケージツアーが組成されています。ジャカルタ直行便はインドネシアから訪日する現地観光客が乗っても、日本発旅程の日本人はビジネス客が多く、日本航空(JL=JAL)やANA(NH)といった本格航空会社(FSC)の上得意として固められています。

東京で編集されている専門情報サイト『FlyTeam』は、インドネシアエアアジアXがこの路線からの撤退に追い込まれた理由として

「路線収益が悪いことを匂わせる説明を会社側がしている」

と書きました。一方、ジャカルタで発行されている『日刊じゃかるた新聞』(電子版)は

「LCCに求められるべき割安感が弱く最大の顧客層と見込んだインドネシア人観光客に受けなかったのではないか」

と伝えています。

成田~ジャカルタ線は、日本発であれば片道10,900円(燃油サーチャージ無し、諸税込み)が最安値で、FSCのJALは正規割引でも片道運賃換算29,000円(燃油サーチャージ、諸税別)と、確かに割安感はあります。しかし、ジャカルタ発は現地の旅行フェアなどで、FSC利用の成田線が往復円換算4万円前後を付けることも多いともじゃかるた新聞は書きました。AirAsiaXはLCCですから当然、預け手荷物、座席指定等は全て有料。さらに片道7時間の長時間フライトですから機内食も購入するとなると、それらがパッケージされているFSCとの運賃の差がわずか数千円相当になってしまい、割安感が消えてしまいます。その結果、地元FSCのガルーダインドネシア(GA=GIA)を主に利用していた訪日客のLCC転移が進まず、座席稼働率が悪化。日本発観光客のジャカルタ直行便への誘導もうまく進まなかったのではないかと分析されています。

6月に行われたBIG SALEなどで、10月以降のフライトを既に予約済みのお客様には、9月以前に搭乗できるように日付変更するか、デンパサール経由またはタイエアアジアX(XJ=TAX)の成田~バンコク(ドンムアン)線と組み合わせたリルート、払い戻しの3つの選択肢が用意されます。

また同時に、エアアジアフィリピン(Z2=EZD)担当で1月から運航を始めたマニラ(ニノイアキノ)~ジャカルタ線も10月末で取りやめられ、マニラ~デンパサール線一本にまとめられることも発表されました。

《10月27日のフライトを持って取りやめ》
Z2235 MNL0800~CGK1100 DAILY
Z2236 CGK1130~MNL1645 DAILY


(機材はエアバス320ceo エコノミークラスのみ180席)