2008年3月15日土曜日

ビザなし6ヶ月90日ルールが廃止か!?

 移民庁は、2006年10月のビザ制度改正(前記事「タイのビザ制度に大きな変更」参照)で最大の目玉としていたビザなし6ヶ月90日ルールを事実上、有名無実化させる方針を固めました。

 きっかけは、2月24日(日)のスワンナプン空港。視察に訪れた移民庁のチャチャワン長官は、余りの対応の悪さに激怒しました。スワンナプン空港には、出入国審査のゲートが合計200門(入国120門、出国80門)ありますが、実際にはこの半分しか常時稼動できる状況にないというのです。

(画像:スワンナプーム空港にて。ラッシュ時間なのに担当者のいない通路がある)

 担当官800人を4チームに分け、交代制で担当させてようやく、ゲートがすべて埋まるのですが、現状は半分の400人しか配属されておらず、それで1日85,000人の出入国を処理しているのですから、とにかく時間がかかるわけです。そこへ、ビザなしでの出入国を繰り返している沈没組が到着すると、そのチェックを行ったり酷いと別室行きにさせたり余計な時間がかかります。その結果、飛行機が到着後、すべてのお客様がイミグレを通過して空港を後にするまで、1時間以上かかるのはざらだそうです。

 これを受け、チャチャワン長官はすべての空港と陸路国境に対し、出入国審査のスピードアップを指示。その際、最大のネックとなっていたビザなし6ヶ月90日ルールについても、事実上反古にすると述べました。

 3月1日(土)以降、空港の入国審査場では過去の基準日や在留日数に関係なく、対象国からのビザなし入国者に対しては30日の在留許可が与えられているようです。ただし、その場合は空路での出国なら問題はありませんが、陸路で出国を予定している人は気を付けないといけません。

 陸路国境では、当面の間ビザなし6ヶ月90日ルールによるチェックが継続されているところもあります。この際に、基準日からのビザなし在留日数が90日を超えていると、超えた分についてオーバーステイとみなされ(前記事「入国スタンプの誤りは即刻訂正せよ」参照)、罰金を請求される場合もあるので要注意です。

 ビザなし入国の更新が空路での一時帰国しかない、あるいは沈没からの脱却を目指すバックパッカーの方には朗報。陸路でビエンチャンやコタバルに行って正規ビザの取得を予定している人が、何らかの理由でビザなし滞在日数が90日を超えた場合でも陸路国境で入国拒否になり途方に暮れることはなくなりました。ともかく一度タイに戻って、荷物をまとめてから行くことができるようにはなりますが、出国時の担当官の裁量がどう転ぶか現時点ではわからないので、それなりのバーツ現金を用意して行ったほうがいいかもしれません。