2008年8月27日水曜日

ファランポーン駅が「上海站」になる

7月12日から16日まで、来年公開予定の米国映画「上海 SHANGHAI」(中国語タイトル「謀海風雲」)のロケが国鉄ファランポーン(バンコク中央)駅で行われています。7月頭にチャチュンサオ市でクランクインしたばかりの「上海」。ミカエル・ハフストロム監督の下、日本、香港、アメリカの大物俳優が競演する話題の作品に、董事長ふくちゃんはエキストラとして参加する機会を得ました。

(ふくちゃん注:タイで予定されていたシーンの撮影がすべて終了するのを待って掲載しました)

7月12日午後2時、いつものカオサン・ママズゲストハウス前に周辺の各ゲストハウスから男性ばかり30人以上のバックパッカーが集結しました。この日のために、各方面から集められていたメンバーが一同に会したのです。タイ人コーディネータの指示でタクシー5台に分乗してファランポーン駅近くの鉄道庁本庁へ。
午後4時30分から衣装合わせが始まります。この日のエキストラは、日本・韓国・タイと幅広い国籍を持つ約1,000人。タイ陸軍からも動員がありました。カオサンから動員された日本人は、日中戦争期の上海租界を守る帝国陸軍の警備兵役。帝国陸軍の制服を模した衣装に着替え、タイ陸軍から貸与されたライフル銃(もちろん実弾は入っていません)を持って、駅構内に入ります。

ファランポーン駅3番ホームが戦前の中国を思わせるようなセットになり、蒸気機関車と客車5両が横付けされていました。蒸機には「824」の数字が。…待てよ、824!? 鉄道庁が持っている動態保存用の蒸機の番号じゃないですか!! そう、この日の撮影のために、824号に普段は付いているはずの先頭部のデフレターを取り外して、戦前の中国風にしていたのです。後ろの客車はタイ国鉄では当たり前の3等車ですが、やはり映画のために国民政府時代を意識した茶色一色に塗り替えられていました。

撮影は夜9時からスタート。コン・リー扮するヒロインが上海駅から列車で移動する前のシーンです。このシーンに限らず、タイでの撮影は古き良き時代の中国大都市の面影が多く残っていることから選ばれたとのこと。ファランポーン駅は1910年築で、再来年100周年を迎えるだけに時代考証的にもピッタリです。
この日の最終列車が出る23時40分からが勝負で、日付が変わった13日の午前2時までカメラは回りっぱなし。ハフストロム監督が拡声器で「アクション!!」を飛ばしていました。

食事休憩を挟んで撮影は続けられ、到着列車のピークを迎える午前5時、この日の撮影は終了。ハフストロム監督が「OK。Finish!!(本日終了)」と声を上げると、スタッフからも拍手と歓声が沸き起こりました。