2008年12月12日金曜日

【超重要】ビザなし6ヶ月90日ルールが消えた!!

 今回の移民庁令改正ではもう一つ、重要なことがあります。これまで沈没組を悩ませていたビザなし6ヶ月90日ルールの厳格適用が撤回されました。

 タイの入管移民法では、ビザなし渡航の対象となる西側先進諸国国籍者が、ビザなしで在留できる日数を6ヶ月間に90日、年間で180日までに制限しています。しかし、実際には各条文の運用は日本で言うところの「施行令」に相当する移民庁令、即ち政令で決まります。前記事「タイのビザ制度に大きな変更」で取り上げた2006年9月移民庁令では、この6ヶ月90日ルールに関する条文の厳格な適用が謳われました。


 前記事「タイビザの発給基準、未だに曖昧」では、この6ヶ月90日ルールを徹底するため、パスポートに①や②などとマーキングしていると書きました。その後、ビザなし入国を希望する外国人にタイを出国する際の航空券またはeチケット領収書を提示するよう求める国境検問所が現れました(前記事「ビザなし入国に航空券が!?」参照)
 しかし、タイ最大の玄関口であるバンコク・スワンナプン空港では、1日10万人ペースで出入国する外国人の過去の在留許可日数をいちいち計算している暇はありませんでした。そんなことをしていたら入国審査場は大渋滞してしまい、1日あたり数百人単位もの別室送りが出てしまいます。これを見たチャチャワン前長官は大激怒。ルールを事実上反古にしてでも、入国審査のスピードアップを図るように指示しました(前記事「ビザなし6ヶ月90日ルールが廃止か」参照)

 そして今回の庁令改正の際、ビザなし6ヶ月90日ルールには言及されませんでした。それどころか附則で「2006年9月移民庁令は廃止する」と記述されました。これは、ビザなし6ヶ月90日ルールの運用が取りやめられることを意味すると解釈されました。在バンコク日本大使館邦人保護部は、緊急用メーリングリストで

> 新たな制度の下では、この「6か月の制限が撤廃」される

 と書いています。これにより、2006年9月以前と同様にビザなし渡航を更新できていれば、無制限にタイ在留を継続できることになりました。
 ただし、新制度では陸路国境からのビザなし入国が15日に制限されています。このため、2週間毎に国境を訪れる必要があり、常務董事・松本健司のいるノンカイなど、国境周辺に在留している外国人には問題ないでしょうけど、董事長ふくちゃんが住むバンコク首都圏や副董事長fortunesawadaの拠点、タオ島といったところの在留者には相当の出費と苦労を強いることになります。
 もっとも、永遠名誉董事長・下川裕治によりますと1994年以前はすべてのビザなし渡航者に空路か陸路か関係なしで15日の在留許可しか出ていませんでした(「日本を降りる若者たち」2章に関連記述あり)ので、「先祖返り」したと言えばご理解いただけると思います。