2010年2月20日土曜日

京成空港線、7月17日待望の開業も…

 京成電鉄(東京都墨田区、東証1部上場)は、かねてから建設を進めていた成田空港線(別名成田スカイアクセス、印旛日本医大~空港第2ビル)を7月17日(土)から営業運転すると発表しました。北総鉄道、千葉ニュータウン鉄道線と合わせ、東京・上野と成田空港を最短経路、最速で結ぶ鉄道が完成し、スカイライナーを使えばわずか36分で東京山手線内(日暮里駅)へ直結します。

 京成成田空港線は、千葉ニュータウン鉄道印旛日本医大駅から、一時構想された成田新幹線のルートに沿って成田空港手前の駒井野分岐点まで、10.7kmの新線建設を含む総延長51.4km(実際は京成上野まで64.1km)の区間を結びます。
 日暮里駅から、空港第2ビル駅までは、スカイライナーなら36分、2,400円。通常の特急列車で59分、1,200円に決まりました。成田空港から東京都心へは、世界の他の都市にもにも負けない空港アクセスが完成し…、といいたいところなのですが、実際はそうでもありません。

 考え方によっては、従来の方法を使ったほうがいい場合もあります。スカイライナーならまだしも、追加料金不要の特急電車を使うバックパッカーは、成田空港線経由でわずかな時間を買うことが応分の負担になると言えなくもない事実が、目の前にあるのです。

 高砂駅(東京都葛飾区)から成田空港駅までの成田空港線部分と、高砂駅から先都心寄りの在来線部分では、料金体系が違い、上野から成田空港までの1,200円というのは、あくまでも高砂から成田空港の新線部分の運賃である950円と、都心寄りの在来線運賃250円の合算として計算されます。これに対し、すべて在来線経由なら押上から成田空港まで950円。上野からは1,000円です。

 京成電鉄では本線経由で成田空港駅に入る特急列車も従来通り設定します。それを使って終点上野まで乗り通すと70分かかります。しかし、青砥から京成押上線方面に向かう、すなわち押上から都営浅草線、京急電鉄線方面に直通するか、東京メトロ半蔵門線に乗り換える方で、船橋回りの特急電車の発車時間にうまく間に合えば、船橋回りのほうが若干安くなります。もちろん、勝田台から東葉高速線(直通相手の東京メトロ東西線も含む)や、京成八幡で都営新宿線に乗り換えというのであれば、従来の特急電車以外に選択肢がなくなります。