2010年2月7日日曜日

TGのマニラ~関空がなくなると…

 タイ国際航空(TG)は3月28日からの夏スケジュールで、バンコクからマニラを経由して大阪・関西国際空港を結んでいたフライトを廃止します(前記事「TG関空便大変動!マニラ経由廃止、1便昼間へ」参照)。実際にはマニラ・ニノイ空港と関空の間が廃止になるのですが、この結果、スターアライアンス加盟航空会社による日本とフィリピンの間の直行便が全滅となってしまいます。

 TGは会社設立5年目の1964(昭和39)年、大阪・伊丹空港に就航しますが、マニラ~大阪のフライトは、1975(昭和50)年11月に初就航したという記録が残っています。ということは、実に35年もの長きに渡って維持されてきた、歴史ある経由便フライトだったのです。


 しかし、セブパシフィック(5J)の就航にあわせてフィリピン航空(PR)も増便を仕掛け、特にセブパシは就航当初、賞味運賃0円、諸掛のみ請求というプロモーションを出すなど攻勢をかけてきました。しかもセブパシが新規就航した直後にスワンナプームショックが襲い、TGは1週間の全便運休。伝統のあったマニラ~大阪線も、一気にお客様がセブパシやフィリピン航空へ逃げてしまいました。2009年にはペックス航空券「TG前売り」に東京・羽田発関空経由マニラ行きを設定しますが、焼け石に水。
 機材は2006年の冬スケジュールからTG672/673との共通運用が行われてきましたが、2009年冬スケジュールでは大型機材のB773初期型を使ったため、搭乗率がダウンするどころか輸送力過剰に。さらに関空でユナイテッド航空(UA)のサンフランシスコ行き(UA885/886)に接続しないスケジュールを組んでいたため、一気に槍玉に挙げられてしまいました。

 日本とフィリピンの間をスターアライアンス加盟社で飛ぼうとすると、アシアナ航空(OZ)でソウル・仁川空港を経由するか、コンチネンタル航空(CO)のグアム経由が現実的な選択肢になります。タイ国際航空のバンコク~マニラ便は継続され、シンガポール航空(SQ)もマニラに就航していますが、他のASEAN圏の国に用がないと遠回りになってしまいます。

 直行で就航している会社のうち、アライアンスに加盟しているのは日本航空インターナショナル(JL=ワンワールド、成田のみ)、デルタ航空(DL=スカイチーム、中部セントレアと成田)の2社だけ。格安のセブパシはもちろん、フィリピン航空もアライアンスに加盟していないため、特にスターアライアンス世界一周やサークル運賃、特典航空券でフィリピンを組み入れようという方は、ルートの練り直しが必要です。

 例えば、スターアライアンスサークルパシフィックで日本からフィリピンを経由しオーストラリア方面へ抜けるルートを考えましょう。

中部セントレア(NHまたはOZ)仁川(OZ)マニラ(CO)グアム(CO)ケアンズ(NZ)オークランド(NZ)サンフランシスコ(UA)関空

 コンチネンタル航空のマニラ発着路線をうまく利用しないと、ルートが組めなくなってしまいます。