2010年2月18日木曜日

政府、強硬態度でミニバス一掃

 運輸省は昨日2月17日から、バンコク首都圏内を走る緑色のミニバスを走行禁止とする措置を事前の予告通り実施しました。
対象は、2月16日の時点で軽油を燃料としていた緑色のミニバス。CNG燃焼に改造されていても、初度登録から20年を経過しているバスは同様とされたので、事実上、オレンジ色の新車に取り替えられなかったミニバスは全て走行できなくなりました。

(画像1:最後の活躍をする[12]のミニバス)


 運輸省と首都圏バス公団では、全ての民間委託バスに対して軽油燃焼をCNGに切り替えるよう義務付けていて、白バスは昨年8月までに改造が終了していました。これを受け、次の段階としてミニバス全車を半年以内でオレンジ色の新車(前記事「ミニバス代替!オレンジ色の頼もしい奴」参照)か、黄色の中国製ワンステップエアコン(急行)バスに取り替えることを求めてきます。
一定の期限までに従わなければ以後は車の運行を認めず、期限日以降に古いミニバスの運行を強行したドライバーは事業許可はおろか、運転免許すらも取り消し処分にするという超強硬措置を準備し、その期限が2月16日でした(前記事「ミニバス一掃へ強い決意で臨む」参照)

(画像2:ミニバス車体に書かれた警告。「この車は仏暦2553年2月16日までにCNGバスへ取り替えられなければならない」とある)

これに対し、ドライバーで作る団体は運輸省に期限の延長を申し入れましたが、黄色ワンステップバスへの取替え推進派でもあるスチャート・チャイワチャナコン副大臣が今年1月の就任直後、これを拒否する声明を出しました。

「過去何年にも渡ってCNG燃焼への切り替えを呼びかけてきたのに、今頃になってさらに延長というのは認められない」

こうして昨日、緑色のミニバスはバンコク首都圏から一斉に姿を消しました。オレンジ色の新車だけがミニバスとしては残りましたが、昨年8月時点で800台以上残っていた緑色の在来車のうち、期限までに取り替えられたのは200台程度でした。

緑色のミニバスが最後まで残ったのは、次の路線です。

[1][4][5][6][11][12][14][17][18]
[20][27][30][34][39][40][42][44]
[46][56][60][68][71][74][75][77]
[80][82][92][97][120][203][207]


今回の措置で、路線によっては1日の運行本数が従来の半分以下となる区間も出るため、首都圏バス公団では各管区営業所に赤バスと白バスの臨時増発を指示しています。ただし、増発便については原則として有料で運行するとしています。

6管区営業所(パシチャルン区)では、これまで公団が運行していなかった[40](ファランポーン駅~海軍司令部~新・南バスターミナル)で暫定的に赤バスの運行を行ったほか、公団運行便が急行しかなかった[80](王宮前広場~ノンケム)でも、深夜に限って赤バスの運行を実施しています。

(画像3:約10年ぶりに復活した[80]の赤バス。深夜のみ運行、有料だ)

なお規制の対象となったのは公団が管理している幹線バス系統だけで、系統番号が4桁の本来ソンテウによる運行の扱いとなっている路線は対象外。このため、[1014](ウドムスック駅~プラウェート市場)などで走っている赤色のミニバスは引き続き運行を行っています。

(画像4:ウドムスック通りに残る赤色のミニバス)