2011年6月1日水曜日

エアポートエクスプレス、廃止

スワンナプーム空港とバンコク首都圏内の主要な地区を結んでいた高級路線バス「エアポートエクスプレス」が、5月31日限りで運行を終了したことが明らかになりました。

エアポートエクスプレスは、観光バス用ボディの製造や外国メーカーの自動車組み立て(ノックダウン)を手がけている地場民間企業「トンブリグループ」が、首都圏バス公団からライセンスを得て運行していました。1990年代から2000年代前半にかけて、ドンムアン空港を発着する『エアポートバス』の名前で営業していたのが走りで、2006年9月の国際線移転に合わせ、スワンナプーム空港発着となり愛称も現在のエアポートエクスプレスに変わりました。

しかし、運賃が片道150バーツ(スワンナプーム空港に入る公団急行バスの4倍)と高いこともあり、BTSから離れた地域と空港を直結する[AE2]カオサン線以外は軒並み不採算となっていて、特に[AE4]ファランポーン駅線は2時間に1本の運行にもかかわらず乗客がほとんどいませんでした。2010年8月のエアポートリンク開業後は、エアポートリンクがBTSと直結したこともあって[AE1]シーロム線の採算も極度に悪化。カオサン線の黒字で他路線の赤字を埋め合わせるビジネスモデルが崩壊するほどの赤字を垂れ流すようになり、トンブリグループではAOT(空港公社)とも協議の結果、

「エアポートリンクの登場で大型バスを使用するエアポートバスの使命は終わった」

と判断。5月31日限りで運転を打ち切る決定をしました。

董事長ふくちゃんは5月22日(日)、仕事でチョンブリ方面に向かう途中、バンナートラート通りの空港からかなり離れたところにエアポートエクスプレスで使用していたバスが集められていたのを確認しています。思えば、これが廃止への伏線だったのかもしれません。

《今後は?》
[AE2]カオサン線は欧米からの旅行者を中心にある程度の需要があったため、廃止によって深刻な影響を受ける人が少なくありません。エアポートリンクでパヤタイ駅に出てもそこからバスやタクシーを使わないとカオサンには行けません。公団バスの[556]もありましたが、エアポートリンク開業後はマッカサン駅発着に変更されている(前記事「[556]が空港まで行かなくなった」参照)ため、エアポートリンクに乗るかタクシーを飛ばさないとカオサンに直行で行けなくなってしまいます。特にエアポートリンクの終電が出てしまう深夜12時以降に日本や中国などから到着する深夜便のお客様の場合、タクシー以外に事実上選択肢がなくなります。