2011年6月22日水曜日

自動車メーカーの期間工復活か?

日本の大手自動車メーカーが、3.11東日本大震災後の生産回復に備えて期間従業員の採用を本格的に再開しています。震災被災者の雇用確保が喫緊の課題ですが、一方で震災を免れた在外のバックパッカーや外こもりすとにとっては、日本に帰国して次の旅の資金を稼ぐ絶好のチャンスが来たといえます。

Honda(本田技研工業:東京都港区、東証1部上場)では、日本国内に5ヶ所ある製作所(工場)ごとに募集をかけており、2009年から機能していなかった専用HPが再開しました。地震で被災した栃木製作所(栃木県真岡市)以外の4ヶ所の工場に勤務する期間従業員枠として合計1,000人程度を募集するとしており、埼玉製作所(埼玉県狭山市)では選考会がスタート。鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)も、今週末に行われる先行案内会から募集活動が本格化します。選考を通過後、一番早い人は7月9日から生産ラインに合流、活躍が始まることになります。

(画像1:タイ向けのホンダシビック。鈴鹿製作所には国内向け終了後も生産ラインが健在だ)

トヨタ自動車(愛知県豊田市、東証1部上場)は、2008年のリーマンショック後に期間従業員の採用活動が全面ストップしていました(前記事「トヨタ期間工縮小!仲間たちよ旅に出ろ」参照)。その後、「プリウス」のフルモデルチェンジを前に行った経験者に対する縁故採用などで950人程度が残っているものの、先月発表したHV「プリウスα」が納車まで1年待ちとなるなど、この秋以降に深刻な人手不足が予想されています。このため会社では3,000人~4,000人という大きな枠を設けて募集を再開します。

(画像2:タイ製のトヨタプリウス。日本では僚車も合わせて最大1年待ちだ)

トヨタグループでは他に、小型トラック「デュトロ」のモデルチェンジを控える日野自動車(東京都日野市、東証1部上場)が既に採用を再開しており、SUBARU(富士重工業:東京都新宿区、東証1部上場)も400人程度の募集を予定していると報じられています。

(画像3:タイでノックダウン生産された初代日野デュトロ。記事掲載と前後してフルモデルチェンジした)

日産自動車(横浜市西区、東証1部上場)、いすゞ自動車(東京都品川区、東証1部上場)、三菱ふそうトラックバス(川崎市中原区)も各社100~200人の枠で募集を始めるとしています。