2012年4月6日金曜日

成田のLCCは2タミで決定!

成田国際空港(NAA、千葉県成田市)は5日、「LCCの受け入れについて」と題したプレスリリースを発行しました。この記事でメインに述べられているのは、クアラルンプール・KLIA空港などと似たLCC専用ターミナルを建設することですが、それまでの暫定的な措置として、LCC各社を第2ターミナルに集結させる方針も明らかにされました。

成田空港では既にスカイマーク(BC)が国内線(成田シャトル)を運航しており、7月3日からはジェットスタージャパン(GK、東京都千代田区)が国内線の運航を開始、8月にはエアアジアジャパン(JW、千葉県成田市)も運航を開始します。エアアジアジャパンでは運航開始後早々に日本と韓国を結ぶ国際線の就航を予定していることから、NAAは早期に方針を決める必要に迫られていました。

成田空港第2ターミナルには、既にジェットスターエアウェイズ(JQ)やエアプサン(BX)、イースター航空(ZE)が就航しており、対応はやりやすいとみられていました。一方、第1ターミナルは本格航空会社だけを対象にしたスターアライアンスとスカイチームの2大連合がガッチリと押さえており、LCCが入りこむ余地はありません。ただ、第2ターミナルは日本航空(JL)をはじめとするワンワールドの拠点でもあり、会社更生法から復活した日航が再び国際線で攻めの姿勢を見せ、LCC側も便数が劇的に増えれば、スポットが足りなくなるのは目に見えています。そこで、ボーディングブリッジではなくタラップでの搭乗を視野に入れたLCC専用ターミナルの構想が進められてきたのです。

LCC専用ターミナルは第2ターミナル北側の隣接地にある貨物ビルの一部を潰す形で建設される方針が決められたものの、2012年中は設計から準備工事までの進捗に留まるといい、完成は2014年の予定。それまでの間は、エアアジアジャパンの国際線便は第2ターミナル本館に発着します。KLIA空港やシンガポール・チャンギ空港の同種のターミナルが、貨物ハンガーの骨組みはほぼそのまま、内装をリニューアルしただけの形で作られたの対し、成田はハンガーを潰して新たな建物を作る方針とされます。チャンギもLCCTを第4ターミナルに作り替える工事が今年から始まるといい(前記事「チャンギ空港LCCターミナル、閉鎖へ」参照)、欧州のように既存の郊外空港をおいそれとLCC専用にする訳にいかないアジアでは、LCCと本格航空会社の棲み分けはターミナルの分離で行われるのが常識となりそうです。