2012年5月15日火曜日

首都圏バス値上げ、しかし足並み乱れた!

首都圏バス公団(BMTA、ホイクワン区)は、ここ数カ月間の石油価格高騰を受けてバス運賃の値上げに踏み切り、15日午前4時の始発便から適用すると発表していました。値上げは2008年9月以来3年8ヶ月ぶりで、昨年9月に行った値下げ分が吹き飛ぶはずでした。しかし、公団直営バスでは結局実施されず、ミニバスだけが一気に1.5Bt.も値上げ公団が一度発表した運賃改定を見送るのは、2008年1月以来4年ぶりのことです。

赤バスは2011年9月の改定で3年間据え置かれた7Bt.から6.5Bt.に値下がりしていました。しかし、今回は1Bt.の引き上げで7.5Bt.に。2008年10月22日から12月21日まで適用された水準と同じになるはずでした(前記事「石油値下がりでバスも値下げへ」参照)

ところが、これにインラック・チナワット首相以下政府、与党連合が反発。公団は運賃値上げを見送りました。今日5月17日も、有料運行の赤バスは従来と同じ1人6.5Bt.の運賃を徴収しています。

これに対し、ミニバスでは赤バスが値上げする予定だった水準の7.5Bt.ではなく、一気に8Bt.まで引き上げる車も現れ、足並みが揃いませんでした。

(画像:[77]の車内にて。今日から8Bt.に値上げだ)

公団バスとミニバスの間に、1.5Bt.もの運賃格差ができるのは極めて異例。しかも今回はミニバスの方が高く、赤バスより安いとして市民に重宝されてきたミニバスの地位が一気に揺らいだだけでなく、主な利用客だった低所得層の財布をも直撃する事態となっており、影響は深刻です。

公団では、激変緩和策として無料運行の赤バスの配車を増やす措置を取っている模様です。