2012年7月6日金曜日

エバー航空、セントレアから小松へ軸足移動

エバー航空(BR)は、台北桃園~中部セントレア線を8月30日限りで運休すると通告しました。チャイナエアライン(CI)の同路線が週11便あるのに対しエバーは週2便だけ。会社側の消極姿勢が目立って搭乗率を伸ばせず、同じ中部地方の小松空港(石川県小松市)に就航している便の強化と引き換えに中部国際空港から撤退します。

《8月30日のフライトをもって取りやめ》 
BR2127 NGO1300~TPE1500 木・日運航
BR2128 TPE0800~NGO1145 木・日運航

エバー航空は2006年7月に名古屋路線を就航させ、最盛期には週5便を運航していましたが、元来毎日1便を運航していたチャイナエアラインに加え、日本アジア航空(EG)以来の伝統がある日本航空(JL)、さらにはキャセイパシフィック(CX)の台北経由香港線も毎日運航されており、後発キャリアとして当初から苦戦を強いられてきました。

2008年10月の冬スケジュールでコードシェアパートナーのANA(NH)が自社便を運休したことに伴って毎日運航への増強が期待されながら、直前にリーマンショックが起こり見送りとなりました。2009年のパンデミックの時は週3便に減らされ、その後も元に戻ることはなく、今年4月には週4便に戻す予定が再び見送られました。

一方、エバーでは2008年6月、桃園~小松線の運航を開始しこちらは当初週2便だったのが今は週4便運航されています。中部セントレア線の廃止と入れ替わる形で、9月からはさらに1便増便され週5便になる予定。機材も中部線で使っていたA332が曜日限定ながらも回されることで、小松線を強化するため名古屋に犠牲になってもらったという、今回の廃止の意味合いが鮮明に出てきます。

しかし同じ増便するのであれば、小松線を思い切って毎日1便にするぐらいの積極的な策は取れなかったのか。来年のスターアライアンス加盟によるANAとの調整があるとはいえ、エバーが日本線に対して消極的な考え方をこのまま取り続けるなら、台北経由便を自由に飛ばすことのできるジェットスターアジアエアウェイズ(3K)やScoot(TZ)といったLCC(格安航空会社)を含む第三国キャリア、さらには地元のライバル復興航空(GE)に中部セントレアを攻め込まれる恐れもあります。


《9月2日から有効》
BR157 KMQ1930~TPE2130 火・土を除く週5便
BR158 TPE1410~KMQ1800 火・土を除く週5便

(機材はエアバス332 プレミアムローレル=ビジネスクラス24席、エコノミークラス228席
またはMD-90 プレミアムローレルクラス12席、エコノミークラス140席)