2012年10月9日火曜日

カタールよお前もか!ワンワールド加盟決定

カタール航空(QR)は、国際航空連合「ワンワールド」に加盟する方針を決定し発表しました。中東系キャリアではロイヤルヨルダン航空(RJ)に次いで2社目となるワンワールドメンバーの誕生で、サウディア(SV、旧サウジアラビア航空)とミドルイースト航空(ME、レバノン国籍)が今年加盟を果たしたスカイチームに次ぐ地盤を獲得。スターアライアンスは他系列に比べて弱い中東地域で、さらに苦しい立場に追い込まれます。

カタール航空は1997年の現社設立以来、地元の業界連絡組織「アラブ航空会社機構」には加盟したもののいわゆる3大アライアンスとは無縁の関係にありました。しかし、2007年のロイヤルヨルダンのワンワールド加盟をきっかけに中東系キャリアもアライアンスとの関係が避けられないものとなっていきます。

昨年、サウディアとミドルイーストが相次いでスカイチームへの加盟を決定。エミレーツ航空(EK=UAE)はこの冬スケジュールからワンワールドメンバーのカンタス航空(QF=QFA)とオーストラリア~欧州間の長距離輸送で提携を組むことになりました。エミレーツが世界最大の長距離国際線キャリアの地位を固め、さらにアブダビを拠点とするエティハドエアウェイズ(EY)の急成長に加え、隣国バーレーンのガルフ航空(GF)が再建されつつある今、このまま独立を貫いたのではカタール航空は地域内で埋没してしまうという危機感が社内で噴出していました。

そして永遠のライバル、追い付け追い越せの関係にあるエミレーツを出し抜くための最後の手段として、カタールはエミレーツが接近しつつあったワンワールドに自ら加盟するという逆転技を編み出し、ブリティッシュエアウェイズ(BA=BAW)とイベリア航空(IB)の持株会社「インターナショナルエアラインズグループ」(IAG、ロンドン)に秘密裏に交渉を持ちかけたのです。