2012年11月30日金曜日

カンボジアアンコールエア、PGの牙城に攻め入る

カンボジアアンコールエア(K6)は、これまでバンコクエアウェイズ(PG)が完全独占しいわば「牙城」とされてきたバンコク~シェムリアプ線に参入し運航を開始しました。当初週4便の予定とされていましたが、直前で毎日1便に変更され関係者の期待を集めています。

《11月30日から有効》
K6700 REP1545~BKK1655 DAILY
K6701 BKK1750~REP1900 DAILY

(機材はATR72 エコノミークラスのみ74席)

バンコクエアウェイズは1990年代の後半から、バンコク~シェムリアプ線を事実上独占的に運航してきました。この頃はシェムリアプ市とタイ国境のポイペトを結ぶ国道6号線が未舗装で、ポルポト派残党によるゲリラの不安もあったために余程のバックパッカー以外は陸路を利用せず、ホーチミンシティなど他の都市からの乗り継ぎも現在ほどは整っていなかったので、PGのシェムリアプ線は大いに賑わい、運賃も他の路線に比べて高く設定されていました。

その後、2000年にはバンコクエアウェイズの子会社として、カンボジア側にシェムリアプエアウェイズ(FT)が作られますが、2008年に運航を停止。バンコクエアウェイズは一時自社でカンボジア国内線も運航したものの、カンボジアアンコールエアに道を譲って撤退していました(前記事「バンコクエアウェイズ、カンボジア国内線も撤退」参照)

そして、国道6号線の舗装が完了した2010年、カンボジア政府がバンコクエアウェイズに与えていた独占運航権が切れ、カンボジア国籍の航空会社はもちろん、タイ側の他社も参入が可能になりました。しかし、タイ国際航空(TG)とタイエアアジア(FD)は現在のところ参入を躊躇っており、シェムリアプエアウェイズに代わるカンボジア側からの新規参入が先となります。そこで2009年に設立されたカンボジアアンコールエアの出番となった訳。カンボジアアンコールエアでは合弁パートナーのベトナム航空(VN)からATR72をリースで調達し、機材を増やしていますが今回、追加の機材が調達できたため参入に踏み切ることにしました。

これまで往復で10,000Bt.を超えていた運賃はプロモーション価格とはいえ約3割引きとなり、バンコクエアウェイズとの激しい市場競争が注目されます。ただし、既にあるシェムリアプ~ホーチミンシティ線と違いベトナム航空とのコードシェアは行われないため、ベト航が加盟しているスカイチームの世界一周運賃「Go Round the World PASS」で利用することはできません。