東南アジアでは、主要都市間の移動で格安航空会社(LCC)を使うことがもはや当たり前になりました。中でも、バンコクやシンガポールからは1つの路線に複数のLCCが就航しているケースもあり、激しい競争が繰り広げられています。そんな中、格安航空はどのようにして収益を稼ぎ出しているのでしょうか。
例えばバンコク~シンガポールでは、タイガーエアウェイズ(TR)やジェットスターアジアエアウェイズ(3K)ですと数日前や下手すれば前日でも片道2,000Bt.前後の運賃で乗れる便があるのに対し、タイエアアジア(FD)便は直前予約が異常に高く、賞味運賃だけで片道5,000Bt.以上を叩きだす便が多数。最高で6,480Bt.(22,500円)という運賃が出たこともあります。これでは、タイ国際航空(TG)の最も安い運賃とそんなに変わりません。いつもAirAsiaでASEAN域内各地への出張者を送っているタイ国内の会社でも、シンガポール線だけはAirAsiaを避けるというところがあるくらいです。
バンコク~香港線でも片道4,000Bt.を超えるAirAsia便があり、同じタイエアアジアの広州や深圳、マカオといった周辺都市への便に変更したり、中東・アフリカ系本格航空会社の格安運賃を探したりと対応は様々です。
クアラルンプールでAirAsiaX(D7)に乗り換えて日本方面に向かう人ですと、KLから先が安いといっても別々に予約してはいけません。通しでバンコク~KLが異常に高くなった、結局ユナイテッド航空(UA)の成田直行便の方がちょっと高くても便利ということも起こっています。韓国行きでは、ジンエアー(LJ)やティーウェイ航空(TW)、イースター航空(ZE)といった地場LCCの直行便との競争に晒されます。
一方、バンコク~コルカタ線ではビジネスマンの利用もあるものの、バックパッカーの直前予約が比較的多くインド系複数キャリアとの競争もあるためか、片道の賞味運賃が3,000Bt.を上回ることはまずありません。